北欧といえば、有名なデザイナーが設計した家具の宝庫。フィンランドの首都ヘルシンキには、ショールームではないけれど、さまざまなデザイナーズチェアやソファの座り心地を楽しめる公共の場所があります。
それはヘルシンキ大学の図書館「カイサ」。
http://www.helsinki.fi/kirjasto/en/library-locations/main-library/
この図書館では、フィンランドをはじめ世界的に有名なデザイナーが手がけた魅力的なチェアやソファが数多く使われています。公共施設にこのような家具を採用するのは、フィンランドでも珍しい試みです。
公共の建物なので、入館は無料。ヘルシンキ中央駅から徒歩5分とアクセスしやすく、観光客でももちろんOK。建物自体も、建築としての見どころがたくさんあって、建築やインテリア好きの方にとてもおすすめのスポットです。それでは館内に置かれているデザイナーズ家具を、いくつかご紹介しましよう。
▼Karuselli(カルセリ)ラウンジチェア by Yrjö Kukkapuro(イリヤ(ウルヨ)・クッカプーロ)
人間工学に基づいて設計された独創的なデザインのチェア。
フロアには6つ置いてあるのですが、とても人気でたいていどのチェアも埋まっています。リラックスした姿勢で本を読んだり、PC作業をしたりできますね。
▼Moderno(モデルノ) by Yrjö Kukkapuro(イリヤ(ウルヨ)・クッカプーロ)
先に紹介したKaruselli(カルセリ)と同じデザイナーによるロッキングチェア。ゆらゆらと動きます。
▼HOWE 40/4 by David Rowland(デイヴィッド・ローランド)
オフィスチェアとして有名な40/4チェア。キャスターのないタイプもあります。テーブルの上にあるぽってりとしたベル型の照明も可愛くて、デスクのパーテーションのカラフルさが北欧らしいです。
▼DOMUS(ドムス)by Ilmari Tapiovaara(イルマリ・タピオヴァーラ)
館内は基本的に私語は禁止ですが、スペースによって会話OKだったり、ミーティング用の場所があったりします。飲食も「軽食なら」と許容されている場所と、堂々と(!)食べてもいい場所があります。このチェアが置かれているのは、会話も飲食も堂々としていいスペース。全体が積層合板でできているのでクリーニングしやすく、こういった場所に向いているチェアです。座り心地はもちろん◎。
▼Rocket by Eero Aarnio(エーロ・アールニオ)
その名の通り、ロケットをイメージしてデザインされたスツール。デザイナーの自宅のキッチン用にデザインされたということで、普通の椅子よりも高めです。ここのカウンターには電源があり、パソコンを使って勉強や作業をする学生をよく見ます。
このような公共のスペースで、誰でも素敵なデザイナーズチェアを使えて、座り心地を体験できるのはとてもいいことだと思います。私も時々ここに来て、いろいろなチェアを試しています。フィンランドでも、デザイナーズ家具は高嶺の花ですが、この図書館で勉強した学生は、将来デザイナーズチェアを買いたくなるかもしれませんね。