ポイント③ 光の見え方と方向

ダイニングの照明として使えるペンダントライトの種類はさまざまですが、注目すべきは光の「見え方」と「方向」で、これはシェードをつける・つけない、またシェードの素材よって特徴が異なります。

サイズについては基本的に、シェードが大きいものほど大きな口金の電球や、複数個の電球に対応している傾向があり、明るさを確保しやすいです。シェードが小さいと使える電球のサイズが小さくなり、照らす範囲も小さくなるので、「明るさの確保」と「インテリアとしてのバランス」には注意が必要です。

■裸電球・クリアガラスのシェードの場合

電球そのままを生かしたり、クリアガラスのシェードを付けたりした場合、光はすべての方向に等しく拡散します。そのため、ダイニングテーブルというよりは、ダイニング空間全体を照らす効果がより強くなります。

■ガラス・布・紙のシェードの場合

光を和らげながら透過するのは、ミルクガラスや色付きガラスのシェードや、布や紙のシェードです。ダイニングテーブルには電球そのままの光が落ち、壁や天井にはシェードの模様や凹凸を反映したおもしろい陰影が見えたり、質感そのままの柔らかい光が照らし出されたりします。また、木でもヤコブソンランプのように薄く削いだ材を用いたシェードは、温かみのある光を透過します。

ガラスシェードは、デザインによって光の見え方が変化するのが魅力
ガラスシェードは、デザインによって光の見え方が変化するのが魅力
布シェードはダイニング全体にやわらかな光を放つ。眩しさも軽減できる
布シェードはダイニング全体にやわらかな光を放つ。眩しさも軽減できる

■金属・陶器・木のシェードの場合

スチールや真鍮、アルミなどの金属や、陶器、木など、光を透過しない素材でつくられたシェードは、ダイニングテーブルに光を集約して照らします。かたちによっては上部が空いていて、テーブルと天井を照らし出すものもありますが、テーブルまわりと周辺の空間の明るさのコントラストをよりはっきりとさせるのが、このタイプのシェードの大きな特徴といえるでしょう。

ダイニングテーブル全体を照らす大型のペンダントランプは、ひとつでも十分な明るさを確保できる
ダイニングテーブル全体を照らす大きなアルミのペンダントライト。ひとつでも十分な明るさを確保できる。大きな吹き抜けとのバランスも絶妙
ボリューム感を持たせたシェードはテーブルの上をより明るく照らし、インテリアとしての存在感も大
ボリューム感を持たせたシェードはテーブルの上をより明るく照らし、インテリアとしての存在感も大
ペンダントライトは小さくして、ダウンライトで明るさをプラスする方法も
空間の広さによっては、ペンダントライトは小さくして、ダウンライトや間接照明で明るさを補う方法も
スチール製のペンダントランプはシェードの上部も空いていて、テーブルの上と天井の双方を明るく照らしている
スチール製のペンダントライトはシェードの上部も空いていて、テーブルの上と天井の双方を明るく照らしている
厚みのある木のシェードは、光を透過せずにテーブルをまっすぐに照らす
厚みのある木のシェードは、光を透過せずにテーブルをまっすぐに照らす

ダイニングでペンダントライトを使うことをお考えの皆さんは、まずこの3つのポイントをしっかり押さえて照明計画を考え、お気に入りを探してみてはいかがでしょうか。

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(監修/アリエルプラン・インテリア設計室 文/Replan編集部)