今どきの2階ホール活用術として書斎&ワークスペースや家族で使えるライブラリースペースを紹介してきましたが、2階ホールの活用方法は他にもあります。それは「フリースペース」。少し昔の家だと「子どもが巣立ったあとの2階の個室が使われず、物置部屋と化してる…」なんて嘆きの声もよく耳にしますよね。
その点、2階ホールのフリースペースは「仕切りのないオープンな個室」のような感じで目的や役割を決め込まず、各ご家庭のライフステージに合わせた使い方ができることから、採用するご家族が増えているように感じます。そこで今回は、これまで取材したなかからいくつかのケースを、写真と間取りでご紹介していきましょう。
あえて、目的を明確にしない
場所をつくるプランニング
こちらのお住まいに暮らすご夫妻の要望のひとつは、まさに「将来余る部屋はつくりたくない」でした。そこでプランに取り入れたのが、フリースペースです。LDKからまっすぐに伸びる階段を上がりきると広がる明るい開放的な空間には、奥さんが子どもの頃から大切にしてきたグランドピアノが置かれています。「いずれ子どもが巣立ったら、子ども部屋を寝室にすればいいから」と、ご夫妻は当面の間寝室ナシで暮らすことにし、今はその日その日で好きな場所に布団を敷いて休むのを楽しんでいるといいます。
続いてのお住まいでは、2階ホールのフリースペースを「デッキ」と呼んでいます。1階のキッチンからもよく見えるということで、今は主にお子さんたちの遊び場に。ゆくゆくは勉強コーナーにしてもいいし、子ども室をつくってもいいし…と、あえてどのようにでも使える余地を残しています。
物干し場としても使える!
吹き抜けに面したフリースペース
カリフォルニアテイストにこだわったというこちらのお住まいは、大きな吹き抜けに面して広いフリースペースを設けました。特徴的なのは、物干し場としても使えるよう、取り外しできる物干し竿をあらかじめ設置してあること。そもそも洗濯物を外に干す習慣があまりない北海道民。しかも共働きだったりすると、基本的に洗濯物は室内干しになるので、フリースペースを物干し場として使う家庭も多く見られます。
もはや、2階ホールではない!?
仕切りのない大空間が子ども室
2階の個室は主寝室だけ。残りの2階ホール的空間はすべて子ども室、という潔い(!)住まいも登場しています。ここで紹介する2つのお住まいはいずれも、2階ホール=子ども室というプラン。お子さんの成長に合わせて、間仕切り家具や間仕切り壁などで空間を仕切って2室にすることを想定しています。「子ども室を、必ずしも完全に閉じることができる『個室』にする必要はないかな」と考えるなら、こんなふうにフレキシブルな2階ホールの使い方もアリでしょう。
このように書斎やワークスペース、ライブラリーコーナーやフリースペースと今どきな2階ホールの活用方法を見ると、それぞれが大切にしている家族の有り様のようなものが、透けて見えてくる気がします。家族ごとの暮らしに合わせてフレキシブルに空間をプランニングできるのは、注文住宅ならでは。既成概念にとらわれることなく、自由な発想で、あなたの家族にぴったりの2階ホールの使い方を検討してみてくださいね。
(文/Replan編集部)
こちらも併せてご覧ください↓↓
・今どきの2階ホール活用術!書斎&ワークスペース
・2階ホールに本棚。家族で使えるライブラリースペース