家づくりの情報収集をしていると「あ、こんな感じいいな」と思うさまざなまデザインや見せ方に遭遇するでしょう。でもいざプランニングをはじめると「こんな感じ」をうまく言葉で設計者に伝えることができなくて、もどかしい思いをすることも。そこで今回はそんなもやもやが解消できるかもしれない(!)、プランニングで役立つ専門用語を、実例写真と併せてご紹介しましょう。
【アール】
半径(Radius)に由来する語句で、半円型や曲面部分を示す言葉です。「ここの壁はアール部分を強調して……」や「アールがキレイな家具はこの内装にピッタリ」といった使われ方をします。
建築物は使われる素材が直線的なものが多くなるため、どうしても水平垂直のラインが強調されて緊張感が出てしまいがちです。そんなときはアールを上手く取り入れたプランにすると、空間が和みます。最近はReplanの取材先でも、アールを取り入れて柔らかさを演出する住まいが増えています。
【現し(あらわし)】
柱や梁などの構造材や下地に使われる部材を、そのまま見せる仕上げのこと。天井を張らずに小屋組みを見せる仕上げを「小屋裏現し」、コンクリート打ち放しをそのまま見せる仕上げを「コンクリート現し」といったように表現します。
素材をそのまま見せるため、それぞれに違った表情を楽しむことができるのも醍醐味のひとつです。また、本来は隠れて見えない場所を現しにする場合は、素材を吟味して選ぶ必要があり、それも空間デザインの腕の見せどころです。
【スキップフロア】
半地下階や中2階など、高さを違えて配置される床面のこと。少ないスペースで床面積をより多く確保でき、収納スペースも同時に確保しやすいのが特長です。床面を階段でつなぐため、間仕切りの少ない空間構成も実現できます。
また、吹き抜けと合わせてプランすると、階下まで採光を行き渡らせることができるといったメリットも。連続する空間構成が、視覚的にも広がりを感じさせるために、狭小敷地で本領を発揮するプランのひとつです。
【ニッチ】
壁面の一部を凹ませて、インテリア小物や雑貨などを置いたり飾ったりできるようにしたスペースのこと。古くは、壁をえぐって彫刻や花や噴水などをつくるための凹んだ場所を指す、西洋の古典的建築意匠の用語です。
家づくりでは玄関や寝室の飾り棚や、キッチンやダイニングで調味料などを置くためのスペースとして活用されています。シンプルな壁面でも、ニッチがあることでアクセントを添えることができ、飾るものによって雰囲気を手軽に変えられるスペースです。
家づくりに関する専門用語は山ほどあるので、すべてを頭に入れるのは難しいかもしれませんが、言葉の意味とビジュアルがなんとなく分かるだけでも、設計者や施工者とスムーズなコミュニケーションが図れるようになります。
ついでに「押さえておきたい!外壁や屋根にまつわる専門用語」や「これも押さえよう!内装仕上げ材にまつわる専門用語」も合わせて確認しておくと、より理解が深まって家づくりがもっと楽しいものになること間違いなし!もっとマニアックな用語も知りたい!というツワモノな方は「Replan住まいの用語辞典」もチェックしてみてくださいね。
(文/Replan編集部)