木々の葉も落ち始め、いよいよ薪ストーブの季節がやってきますね!薪ストーブのある家づくりを考える際にしっかり検討しておきたいのが、「薪ストーブの設置場所」。漠然と「暖を取ったり火を眺めたり、料理に使ったりするものだから、リビングやダイニングに近いところに置けばいいかな」と考えがちですが、実際は外にストックしている薪を運び入れたり、溜まった灰を定期的に掃除したりと、外とのつながりも重要なんです。
そのような事情からよく見られるのが、「土間」の上に薪ストーブを直置きする間取りです。コンクリートやタイルなどで仕上げた土間を炉台にすることで、テラスや玄関との動線を良くし、薪の搬入や掃除をしやすくしています。そこで今回は「土間に薪ストーブ」の間取りを、いくつかご紹介しましょう。
テラスとつながる土間に薪ストーブ
家族が集まるLDKの一角、しかも薪の補充などがしやすい場所。ということで、テラスへの出入り口のある土間に薪ストーブを置くケースが、比較的よく見られます。LDKを中心に暖めることができ、くつろぎの時間には薪ストーブの炎を心置きなく堪能できますね。
玄関土間に薪ストーブ
玄関から近い場所に薪棚をつくるのであれば、玄関土間に薪ストーブを置くのも一案。薪を運ぶ動線がスムーズになります。特に、玄関とLDKがそのまま繋がるようなオープンな間取りだと暖房効率も期待できます。近所の人やお友だちが来たときには、玄関先が団らんの場としても活躍しそうです。
玄関・テラスの両方とつながる
土間に薪ストーブ
玄関とテラス、その両方と土間がつながっていれば、動線としては無敵。普段使う薪はテラス側にストックして必要なときにすぐ搬入できますし、雪の中を帰宅した日には、玄関から薪ストーブの近くまで濡れたコートを来たまま行って乾かせます。敷地条件によるので難しい場合もありますが、条件が合えばぜひ検討してみたい間取りです。
土間リビングに薪ストーブ
そして最後に、ちょっと珍しいケース。岩手県盛岡市にあるオオツカヨウ建築設計代表の大塚さんの自邸は、薪ストーブのある土間をそのままリビングとして使っています。一見すると土間って冷たそうですが、温水パイピングを敷設しているので足元からほんわりあったか。薪ストーブとの組み合わせで、暖かくて暖房機器の運転音のない心穏やかな暮らしを実現しています。またこの土間リビングは、外の縁側空間とつながっているので、薪の搬入もスムーズです。
このように、「土間に薪ストーブ」の間取りはいくつものバリエーションがあります。特にメイン暖房として薪ストーブをお考えの場合は、薪を運び入れたり掃除したりが日常になるので、プランニングの早い段階で、近くの薪ストーブ屋さんや薪ストーブの施工実績が多い設計者や建築会社に相談するのがおすすめです。せっかくの薪ストーブ生活。より快適に使えるように、検討や工夫をしたいですね。
(文/Replan編集部)