200㎜外壁付加断熱構法

このような高断熱の躯体をつくることができれば、Q1.0住宅は容易にできます。気密性能も十分で、熱交換換気による省エネはそれだけで約20~30%の効果を実現できます。窓も樹脂サッシやアルミ樹脂の断熱サッシにアルゴンガス入りの16㎜Low-Eペアガラスを採用すれば、北海道などの寒冷地以外では、ほぼ十分な性能が得られます。5地域以南ではこの標準躯体でQ1.0住宅は完成します。

寒冷地や更に高い省エネ性能を求めるときは、壁を中心に厚い断熱材の施工が必要となりますが、ここで図-4のような210㎜厚の壁工法が開発されています。150㎜厚の壁に比べてコストはほんの少し高くなるだけで実現できます。下地の木材を減らし、締め付け力の高いビスを選択することで省力化とコストダウンを実現しています。詳細は新住協の技術情報を参照してください。

図-4 210㎜厚の壁工法
図-4 210㎜厚の壁工法

高断熱住宅とデザイン

設計事務所の中には、高断熱住宅に否定的な発言をする人たちも存在します。その発言が、自分たちの技術の未習得を隠すためのものではないと思いたいのですがどうでしょうか。

高断熱住宅は吹き抜けなどで開放的なデザインの実現はもちろん、大きな開口部でも寒さを感じない、むしろ窓から入る太陽熱で更に省エネを実現できる家です。デザインの自由度を制約することなく、むしろ自由なデザインを可能にする設計手法なのです。ぜひとも、新しい技術で快適・健康・安全な、そして素晴らしいデザインの住宅が、たくさん建設されることを望んでいます。