先日の北海道全域での大停電を機に、住まいで使うエネルギーについて改めて考えさせられた、という方も多いと思います。中には電気がなくても使える、ということで、今後の家づくりの中での暖房の選択肢として薪ストーブの導入を考え始めた方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで今回はサカシタペチカの坂下雅徳さんに、ライフラインとしての薪ストーブについてお話をうかがいました。
薪ストーブは、冬の非常時にも心強い味方に
先日の地震で震源地に近い地域では、ペチカが崩れたり、集合煙突が一部崩れたりといった被害が出ました。ペチカは施工してから既に30年以上経っているものがほとんどで、ダメージが蓄積されていたことも被害の一因だったと思われます。
今回被害が大きかった安平町などでは、地震後すぐに気温が一桁台まで下がる日もあり、薪ストーブの設置を急ぐお客様もいらっしゃいました。私は今も毎日のようにお客様の住まいを訪問して、状況を確認したり、今後の対応についての相談に乗ったりしていますが、皆さん、薪ストーブをこれから先も使い続けることを考えてくださっています。これはやはり長年薪ストーブを使い続け、その魅力をわかっていらっしゃるからこそだと感じます。
今回の大停電で私たちはショールームで一晩過ごしましたが、朝方は少し肌寒かったので、薪ストーブに火を入れて、お湯を沸かしてコーヒーを淹れて朝食をとったりしました。あの停電がもし冬に起こったとしても、薪ストーブがあれば暖房の心配はしなくて済みますし、調理することもできます。炎の明るさは、あたりが真っ暗で不安な気持ちをほっと安らげてくれるでしょう。実際、薪ストーブユーザーのお客様からは「ライフラインとしても安心で、薪ストーブを設置しておいてよかった」という声が多く聞かれます。
東日本大震災のときもそうでしたが、今回もあの大停電以降、当店への薪ストーブのお問い合わせが増えています。中には、憧れの域を出なかった薪ストーブの設置を本気で検討すべくお店に脚を運ばれる方も。ずっと使い続けるものですので、家族の暮らし方をはじめ、さまざまな角度から検討が必要だとは思いますが、薪ストーブの暖かさの質の良さと炎の魅力は何物にも代えがたいものです。
新築時などに導入を決められない場合には、薪ストーブ店に図面を持参して、将来に向けてのアドバイスを受けておくのも一案です。停電時のライフラインとして強い味方であることも含め、「薪ストーブのある暮らし」を考えてみてはいかがでしょうか。
最後に、余震も続いていますが、今回の地震で被災された皆さまに1日も早く平穏な日常が戻ることを願っております。
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