既存住宅の耐震リフォーム

これからの新築で十分な耐震性能を確保するのは当然ですが、問題は耐震性能に劣る既存の住宅ストックです。国交省は、旧耐震以上を確保していると思われる住宅の比率を「耐震化率」としていますが、2018年においても87%にとどまっています(図4)。また、旧耐震や2000年以前の新耐震の性能が十分でないことは熊本地震でも明らかですから、実際には過半の物件で耐震性能が不足しているとみるべきでしょう。

 

図4 既存住宅の耐震チェックはまず簡易な自己診断から
国交省は2030年までに旧耐震すら満たさない「耐震性が不十分な住宅」はおおむね解消することを目標としていますが、旧耐震や新耐震の住宅でも十分な性能があるとは言えません。

「自分の家の耐震性能は大丈夫?」と気になった人は、耐震性能の診断をしてみるといいでしょう(図5)。

図5 自治体の相談窓口も活用を
自宅の耐震性能が心配な場合は、まず日本建築防災協会の耐震診断を試してみましょう。耐震性に影響が大きい要素について、自宅の程度を知ることができます。耐震性に問題がありそうな場合は、自治体が提供する窓口に相談を。専門家に自宅を見てもらって、具合的な改修方法のアドバイスをもらうことができる場合もあります。

日本建築防災協会は、10の質問に答えるだけの手軽な耐震診断をWEB上で提供しています。さらに、多くの自治体が耐震化に関する相談窓口を開設しており、専門家に自宅を見て診断してもらうことも可能です。大切な家族の命と財産を守るために、積極的に利用しましょう。

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