後悔しない!快適なコートハウスを建てるポイント

メリット・デメリットを踏まえると、快適に暮らせるコートハウスを建てるポイントは以下3つです。

  • 中庭の活用法を明確にする
  • 1年を通した暮らし方をイメージする
  • 実績豊富なプロの力を借りる

順番に詳しく解説します。

中庭の活用法を明確にする

コートハウスの中庭は、さまざまな使い方ができます。しかし、用途を決めずに大きさや配置を決めてしまうと使いにくくなるため注意しましょう。

例えば、中庭の大部分を植栽で占めると、ビニールプールやテントなど、大きな物を置けません。観賞用のスペースにするか、家族で楽しむための場所にするかを選んでおく必要があります。

また、必要以上に中庭を広くしすぎると、暮らし始めてから「居住空間を広く取れば良かった…」と後悔することにも。家族で相談して暮らしの中での中庭の使い方を明確にし、優先順位をつけてからコートハウスを設計するのが成功のポイントです。

1年を通した暮らし方をイメージする

コートハウスの間取りを考える際は、過ごしやすい季節だけではなく夏や冬などの厳しい季節の暮らし方をイメージすることが大切です。

特に、コートハウスの中庭付近は大きな窓ガラスや開口を設けるため、陽射しや外気の影響を受けやすくなります。 断熱性の高いガラスやサッシを選ぶとともに、庇や軒の出を設けて直射日光を遮るなど、快適に過ごせるように配慮しましょう。

太陽光や雪の照り返しに悩まされることもあるため、中庭の床材の色や素材を選ぶ際には「反射のしやすさ」も確認してみてください。

中庭の窓を開放したい場合は「虫対策」も欠かせません。外の眺めを楽しむには、「アコーディオンタイプの網戸」を設置するのがおすすめです。使わないときは折りたたんで収納でき、庭の景色やインテリアの邪魔をしません。

現在の住まいでの1年の過ごし方を思い返すとともに、新居で叶えたい暮らし方をイメージし、問題になりそうな点がないかを検討してみてください。

実績豊富なプロの力を借りる

コートハウスは間取りの計画が難しく、採光計算や構造計算なども同時並行で進めながら内容を決めていく必要があります。 一般的な住宅とはプランニングで注意すべき点も異なるため、コートハウスの施工実績が豊富な工務店や設計事務所を探しましょう。

経験豊富なプロからは、驚くような間取りや解決策の提案をもらえることがあります。 似た敷地条件の事例を紹介してもらえたり、実際の住宅を見学できたりする場合も。 「Replan SUMAIナビ AIでできる工務店・建築家探し」でもコートハウスを多数取り扱う建築家や工務店をご紹介しています。ぜひ参考にしてください。

魅力あふれる!コートハウスの事例3選

ここからは実際に、さまざまな魅力あふれる30坪台〜50坪台のコートハウスの事例を見ていきましょう。取り入れたいポイントを解説しながら詳しく紹介します。

【事例1】コの字型|機能性を追求した、約51坪の平屋のコートハウス

約130坪のゆとりある敷地に建てられた平屋のコートハウス
約130坪のゆとりある敷地に建てられた、約51坪(ガレージ含む)の平屋のコートハウス

約130坪のゆとりある敷地に建てられた平屋のコートハウスです。広さは約51坪(ガレージ含む)。外観はレッドシダーの木目とガルバリウム鋼板の組み合わせでスタイリッシュに仕上げています。 道路側にガレージを設けたことで、スペースを有効活用しつつプライバシーが守られている点がポイントです。

中庭は広く、芝生と砂利を敷き詰めている
中庭は広く、芝生と砂利を敷き詰めている

ガレージ横から家のなかに入ると、芝生と砂利を敷き詰めた広々とした庭が出迎えます。 大開口のガラス窓から庭が一望でき、晴れの日も雨の日も庭を眺めながらゆったりとした時間を過ごせるでしょう。

中庭に面した窓がすっきりとして大きく、より広々とした印象のLDK
中庭に面した窓がすっきりとして大きく、より広々とした印象のLDK

建物の内部は、枠なしの窓や天井埋め込み型のエアコンを採用するなど、凹凸を極力省いている点が特徴的。 内装のラインがそろうためスッキリとまとまった印象になり、部屋の奥行きも強調されて広く見えます。マイホームをデザインする際にぜひ取り入れたいアイデアですね。

また、機能面を重視して高性能な建物に床暖房を組み合わせ、1年中快適に過ごせる家を実現しています。

▼この事例の詳細は、こちらの記事をご覧ください
「機能的で暮らしやすい夫婦のセンスを散りばめたおしゃれな平屋」

【事例2】コの字型|約40坪のモダンなコートハウス

延べ床面積41坪で建てられたコの字型レイアウトのコートハウス
延べ床面積41坪で建てられたコの字型レイアウトのコートハウス

住宅街のなかに延べ床面積41坪で建てられたコートハウスです。2方向が道路に面していますが、コの字型レイアウトを採用しているためプライバシーがしっかりと守られています。

屋根付きのテラスが部屋の一部のように広がりを持って設計されている
屋根付きのテラスが部屋の一部のように広がりを持って設計されている

中庭と室内の境界付近は床の色を統一し、空間が広く感じられるよう配慮されています。 中庭のすぐ横の階段をスケルトン仕様にしたことで、視線が抜けてさらに開放感が増している点も注目したいポイントです。

さまざまな方向から庭の様子を楽しめる
さまざまな方向から庭の様子を楽しめる

コの字型やロの字型レイアウトでは、さまざまな方向から庭を眺められます。この家のように小さめの窓を設けると、絵画のように景色を切り取って観賞できるためおすすめです。

▼この事例の詳細は、こちらの記事をご覧ください
「自然との一体感を考えた中庭を抱くガレージハウス」

【事例3】ロの字型|カーテンなしで暮らせる約33坪のコートハウス

中庭をぐるりと囲んだロの字型レイアウトのコートハウス
中庭をぐるりと囲んだロの字型レイアウトのコートハウス

プライバシーを重視した家づくりをしたい方に、ぜひ参考にしていただきたいコートハウスです。 ロの字型のレイアウトを採用しており、外観は開口部がほとんどないグレーのシンプルな塗り壁で囲まれています。

上部と壁面の開口から陽射しを中へ取り込む設計
上部と壁面の開口から陽射しを中へ取り込む設計

中庭部分は暗くなり過ぎないようにFIX窓を設けていますが、すりガラスのため外部からの視線は気になりません。上空へ視線が抜けるようにしたことで、開放感もあります。

夜になるとガーデンライトが中庭を幻想的に彩る
夜になると外照明が中庭を幻想的に彩る

カーテンが不要なため、窓まわりがスッキリしてシンプルなインテリアがより際立ちます。中庭の一角のみ植栽スペースを設け、外照明で幻想的な空間を演出している点も魅力的。

また、アイランドキッチンを採用しており、中庭を眺めながら食事の準備ができます。おしゃれな空間で毎日心からリラックスできそうなお住まいです。

▼この事例の詳細は、こちらの記事をご覧ください
「開放的な暮らしを実現する、プライベートテラスを囲む家」

 

コートハウスは、外からの視線を遮りつつ中庭で半屋外空間を楽しめる魅力的な住宅です。自然の光や風を取り込めたり周辺環境に影響を受けにくかったりと、住み心地の面でもメリットがたくさんあります。

一方で、生活動線や耐震性などさまざまな要素に配慮する必要があり、満足できる住宅にできるかどうかはプランニングに大きくに左右されます。

その意味でも、理想の暮らしや中庭の活用法をできるだけはっきりとイメージしたうえで、実績豊富なプロの力を借りながら計画を進めることが重要。 ぜひ本記事を参考に、素敵なマイホームを手に入れてくださいね。

(文/Replan編集部)


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