コートハウスの3つのデメリット

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photo/Unsplash

メリットが多く魅力的なコートハウスですが、以下のような注意点もあります。

  1. 建築費が高くなりやすい
  2. 間取りの計画が難しい
  3. メンテナンスの手間がかかる

マイホームを建ててから後悔しないように、デメリットも把握しておきましょう。

デメリット1|建築費が高くなりやすい

ロの字型やコの字型のコートハウスは、一般的な正方形や長方形の住宅よりも建物の角が多くなります。建物は「角の部分の処理に手間がかかる」ため、施工費が高くなりやすいです。 また複雑な間取りになることが多く、安全を確保するために構造計算などの設計費が余分に必要になるケースが多いです。

個々の家の間取りや地域によって異なりますが、30坪前後の住宅の場合、中庭がない一般的な住宅よりも総額で数百万円は建築費が増える傾向があります。 事前に余裕を持った資金計画を立てて予算を確保するとともに、プラン作成後は詳しい見積もりを依頼しましょう。

なお、ロの字型やコの字型よりもL字型の方が比較的建築コストを抑えやすいので、費用面を重視する方はぜひ検討してみてください。

デメリット2|間取りの計画が難しい

快適で安全なコートハウスを建てるには、以下のように多くの要素を考慮して間取りを計画する必要があります。

生活動線
  • 庭があるため家事動線が長くなりやすい
  • 居住空間を広く取るには、廊下のない間取りにするなどの工夫が必要
採光
  • 季節や時間帯によって自然光の入り方が変わる
  • 庭の位置や広さを適切に配置し、場合によってはトップライト(天窓)を使うなどの柔軟な設計が必要
風通し
  • 風の動きは周辺環境により左右されるため、設計が難しい
  • 建物内の圧力差や温度差を考慮し、複数の場所に窓を設置して空気の逃げ道をつくる必要がある
庭の排水
  • 水はけが悪いと豪雨などに見舞われた際に水があふれて室内まで浸水してしまう
  • 見栄えを邪魔しない位置に排水溝をバランス良く配置するなど設計力が問われる
耐震性
  • 中庭付近はガラス張りにするため、構造的に弱くなりやすい
  • 建物の強さだけを考えると平凡な間取りになるため、念入りに構造を確認しつつ魅力的なデザインに仕上げるバランス感覚が必要
法律上の制約
  • 敷地に建てられる建物の規模(建ぺい率や容積率)や高さは法律で制限されている
  • 中庭を広くし過ぎると居住空間が狭くなってしまうため、制約のなかで空間を最大限に活かす設計力が問われる

敷地の面積や形状は決まっており、すべての条件をバランス良く満たすように設計するのが難しい点がデメリットと言えるでしょう。 設計士の力量により住宅の品質が変わるため、設計事務所や工務店選びが非常に重要です。

なお、コートハウスは耐震性の面で不利と言われることがありますが、住宅を建てる際は「建築確認申請」と呼ばれる行政の審査を受けます。

一定の規模の地震に対して耐震基準を満たし、安全性を認められた建物にのみ建築許可が下りるので、建築確認申請が通れば、一般的な住宅に比べて耐震性が劣るということはなく、特別に不安を感じる必要もありません。

デメリット3|メンテナンスの手間がかかる

コートハウスの中庭周辺はガラス面が多く、汚れが目立ちやすいためこまめな掃除が必要です。 また、排水口がつまると中庭が水たまりになる恐れがあり、一般的な住宅よりも落ち葉やゴミの掃除が欠かせません。 美しく快適に過ごすために、メンテナンスの手間がかかる点がデメリットです。

仕事や家事が忙しく、できるだけ手間がかからない庭にしたい方は、鉢植えの植物や人工芝でデザインするのがおすすめです。落ち葉や土ぼこりが舞うことが少なくなるため、窓ガラスも汚れにくくなるでしょう。

シンボルツリーだけ植えて、床はウッドデッキやタイルで仕上げるシンプルな庭にする方も増えています。 庭に置く物を少なくしておくと、バーベキューの道具やビニールプールなどを持ち込みやすく、多様な用途に活用できるスペースになります。

このようなメリット・デメリットを踏まえて、快適なコートハウスを建てるポイントをを見てみましょう。