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Q 天井から雨漏り 柱の点検なく工事終了。
質問者/滋賀県・minto
記事No.18756/カテゴリ:工事ミス・トラブル
築9年目の注文住宅に住んでいます。3ヵ月前に寝室の天井部分から雨漏りがありました。10年未満だったので住宅補償で工事をしてもらえることになりました。ですが最初の散水点検で業者が帰って数日たってから散水と溜まっていた雨水が大量に天井から落ちてきて家財の被害が拡大しました。水も透明ではなく茶色の水でした。ベニヤ板の塗料がついたのではと言われています。
家財の補償はできないので火災保険を申請するよう言われたのですが 審査が通らなかった事を伝えたらなんとか家財も補償してもらえる事になりました。雨漏りの原因は屋上部分のFRPに亀裂があった事、住宅メーカーの推測では新築時に発見できないくらいの小さな亀裂がありそこから雨漏りをし、中に溜まる事で亀裂が大きくなっていたのではとの話でした。
工事は天井の取り替え(ですが業者判断で濡れて茶色に変色してる木材部分でも乾いていたといってそのままのところもありました)。壁の中は通気工法で乾くから大丈夫という説明で、点検なく壁紙の張り替えのみでした。工事は2週間ほどで終わってしまいましたが、途中経過の写真が一部なかったり不信な点があった為、壁の中と柱が大丈夫という証拠を出してほしいと頼んで返事待ちをしています。「どこが気になりますか。気になる場所の壁を点検します」と素人の私に聞いてきたので、「雨がつたった可能性がある場所すべてです」と答えました。
弁護士や建築家に相談した方がいいのではと知人に言われますが、費用も高額な為すぐ出せる金額でないので悩んでいます。今業者からどんな検査を今後するかの返事待ちとなっている状態です。なにか気を付けておく事、今後とるべき行動について教えて頂けたら嬉しいです。長文になり申し訳ございません。よろしくお願い致します。
A:回答者/一級建築士事務所(株)北工房 代表取締役 栃木 渡
相当に昔から漏水していたようですね。10年以内という事で、瑕疵保険の対象として対応して頂けるようで良かったです。ただ、被害がどこまで及んでいるかは、かなりの部分を解体してみないと正確にはわからないような気がします。これを怠ると、後々、蟻害などが発生するかもしれません。
まずは原因の推定と被害範囲の確定、補修方法の検討。ここまでは、あくまでも「技術的」知見に基づいて、冷静に。時には建築家(というより、このような事例の経験値のある方)の見解も踏まえながら判断していきましょう。
その後の、実際に費用の部分に関しては、保険ですべて対応して頂けるなら、それが一番ですし、もめるのは、保険対象外が高額になった場合で、その時には弁護士さんの出番かもしれません。
肝心なのは「技術的観点」と「法的・金銭的観点」をちゃんと区別して考える(判断する)ことです。時にはこれがゴッチャになって、更にそれに妙な「感情」も加わったりすると、収拾がつかなくなります。文面から推測するに、おそらくその辺り、論理的に判断できそうな方と思います。
質問者より
回答ありがとうございます。経験のある建築士さんと間に入って話をしてくれる弁護士さんが必要そうですね。雨漏り対応で生活もぐちゃぐちゃになり疲れ果ててますが、がんばって探してみようと思います。家にいても壁の中、柱は大丈夫なのかと不安に思い、とても辛いですが、冷静になって行動していこうと思います。ありがとうございました。
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