回遊動線のデメリット
回遊動線の取り入れ方によっては通路が増えるため、他の必要なスペースを圧迫してしまう可能性があります。収納が足りなくなったり、かえって不便な動線になったりしないよう、通路をほかの用途と兼ねるなどの工夫が必要です。
また、ひと続きの開放的な空間で快適に過ごすためには、住宅性能の確保が必要となります。新築時には、日々の暮らしにかかるエネルギーも考慮に入れたうえで、住宅会社の担当者とじっくり相談するのが良いでしょう。
回遊動線で後悔しないために
家の中にどのような動線を取り入れたら効率が良く、快適な暮らしにつながるかは、万人に共通するものではありません。回遊動線を取り入れたものの暮らし始めたら実際は使わなかった、収納のスペースが足りなくて通路をふさいで物を置いてしまっているなど、失敗してしまうケースもあります。
日々の暮らし方や家族の癖、今の住まいでの快適な点や不便な点などを洗い出したうえで、回遊動線が必要かどうかを判断する必要があります。「なんとなく便利そうだから」から一歩踏み出して、本当の快適を見つめる時間を設けましょう。
事例に学ぶ回遊動線の成功例6
【キクザワ】先々を見越した安心・快適な平屋住宅
平屋を前提に、回遊動線を採用したLDKと水まわり、冬の暮らしやすさを実現する造作車庫と屋根付きカーポートなどを計画に盛り込んだ住まい。また、将来への備えとして太陽光発電パネルを設置し、EV充電ポートを装備。結果として今はもちろん、長い目で見て安心感のあるZEH仕様の住まいとなっています。
平屋ならではの床面積を利用して、キッチン裏手のユーティリティと造作の洗面台、ウォークスルークローゼット、寝室を真っすぐにつなぐ裏動線を実現しています。トイレはリビング側と寝室側の2ヵ所に設置し、朝の忙しい時間帯を家族がストレスなく使えるよう配慮されています。