先月ヘルシンキのカラサタマ地区にある、フィンランドの家具職人の工房に行ってきました。日本で仕事をしたこともあると聞き、興味津々です。訪ねたのは家具職人のJUHAN MIKONE(ユハン・ミコネ)さん。特に木製のキッチンを数多く手がけています。

@Niclas Mäkelä      photo: Niclas Mäkelä
フィンランドの家具職人 JUHAN MIKONE(ユハン・ミコネ)さん photo: Niclas Mäkelä

2018年に、デンマークで世界的に有名なレストラン「NOMA(ノーマ)」で長く活躍した方がトップシェフだった「INUA(イヌア)」というレストランが、東京にオープンしました(2021年3月末に閉店)。

そのINUAのテストキッチンのディテールを決定し制作、施工したのが、ユハンさんでした。テストキッチンとは、トップシェフが新しいメニューを試すキッチンのこと。制作に際しては、日本に数ヵ月滞在して、キッチンを制作したそうです。

提供していただいた写真で、ユハンさんがフィンランドでデザインしたキッチンをいくつかご紹介しましょう。

ヘルシンキでつくられた屋根裏部屋のキッチン photo: Niclas Mäkelä
白い空間にやさしい木の色が映える長尺の壁付けキッチン photo: Niclas Mäkelä
引き出しのコーナーの納まり。長持ちで美しいデザインのキッチンを目指しているそう photo: Niclas Mäkelä

ユハンさんは特に、ウッドワークと家具のデザインに情熱を傾けています。天井が高く、整然として広々とした工房には、木材を加工するためのたくさんの機械が並んでいます。

すっきりとして広いユハンさんの工房

工房の一角に積まれている木はオーク材です。ユハンさんは主にオークを使用します。写真左奥には、和風な引き戸が見えます。それについて尋ねると、ユハンさんは恥ずかしそうに「日本の障子にインスピレーションを受けて、作ってみた」と話してくれました。

工房の一角に積み上げられているのは、ユハンさんが好んで使うオーク材。奥にはユハンさんがつくった障子戸が見える

ユハンさんは、日本と日本のデザインにとてもいい印象を持ってくれているそう。近い将来に再び、フィンランドと日本のコラボレーションが実現するといいなと、勝手に想像してワクワクしています。

MIKONE
https://www.mikone.fi