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Q 土地購入における隣地からの水漏れによる水たまりについて

質問者/宮城県・x?rei
記事No.17420/カテゴリ:家の外回り

昨年末、解体引き渡しの土地を購入し、購入決定後、売り主の方で解体が行われました。その後土地が引き渡されましたが、建築予定のハウスメーカーの建築担当から「隣地境界付近に2〜30㎝の深さの水たまりがあり、どうやら隣地の土留から水が漏れているようです」と忠告がありました。

その水たまり部分には、今までの住民は駐車場として使用していましたが、解体後は水たまりになっていたにもかかわらず一切話しはありませんでした。また解体時に本来あるはずの雨水桝が撤去されていて、土地を購入した不動産担当に聞きましたが、「たまにある話です」と一蹴されました。

その後も水たまりは水位を保ち、外構工事を依頼する際に外構工事業者からは、「このままだと駐車場を作ろうとしても隣地からの水漏れによる水たまりのために、土間コンクリートがだめになってしまうため、浸透枡や暗渠による対応が不可欠です。もっと早くわかれば色々な対策ができたのに。また水漏れによる水たまりをある程度逃がすことはできるものの、完全な対策ではない」といわれました。

また最近、今までの住民が水漏れ対策のために工事をしていたことがわかりました。早めにその事実を知っていれば、購入における重要な参考になりましたし、対策なども然るべきタイミングでできたと思います。今回は対策のための費用も発生するために大変困っています。

質問ですが、
・今回の内容は瑕疵責任として考えうる事例でしょうか?
・今回の事例は、売り主が浸透桝などの対策をすべきでしょうか?
・隣地からの水漏れそのものを防ぐための方法や相談先などあれば御教示お願いします。

A:回答者/一級建築士事務所(株)北工房 代表取締役 栃木 渡

画像からの判断ですが「水漏れ」というより、「湧水」ではないでしょうか? 土地に関しても「瑕疵責任」はあります。その事象によって、そもそもの購入目的が達せられないような場合ですね。それは地下埋設物にも及びます。本件は、それに近いような気がします。

法的な問題は弁護士さんに。その時に、「では、解決するために技術的な対策をするとお幾らになりますか?」というお話になろうかと思いますので、その時は、土木工事なんかを(外構工事では無く)やっている会社にご相談になるとよいかもしれません。湧水であれば地質調査なんかも必要になろうかと思います。地表面から深くない場所に粘土層があるのではないでしょうか? あくまで推測ですが。


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