北海道・東北の住まいづくりを見つめ続けて30年。創業当初オフィスとして使用していた『Replan House』をリノベーションし、新オフィスとして再活用するプロジェクトの第1段階が終了しました。オフィスの引っ越しが終わり、スタッフが新しい空間で働き始めました。
既存建築の価値を活かし体感する
今回のリノベーションでは、年月を経てもなお丈夫で、普遍的なデザイン性も有するコンクリートブロック造と木造の躯体、外壁材を生かし、建物がもともと持つ魅力を活かしました。各居室や旧オフィスで使われていた造作収納やドアも、場合によっては一度取り外し、リサイズなどして新たな役割も与えています。
室内のところどころに露出したコンクリートブロックや木製サッシ、住宅としてつくられた部分の意匠が空間に落ち着きを与え、居心地の良さが引き継がれました。こうしてリノベーションされた空間で実際に働くことにより、スタッフそれぞれがモノの価値について考えを深めるきっかけにもなることでしょう。
建物が生み出すコミュニケーションのカタチ
主にオフィスとして使用している2階は、間仕切りを極力排除したことでフロア全体が緩やかにつながりました。編集チームのスペースは、個別の机をあえて設けずに大きなデスクを共有するスタイル。校正紙を広げたり、ちょっとした打ち合わせをするスペースも確保でき、作業が寸断されることなく仕事に取り組める環境となりました。
もともと寝室で、畳が敷かれていた制作チームのスペースは、ドアやすりガラスが外され、ホールとつながりました。ホールを挟み1階からの階段に隣接した元の書斎スペースは、営業チームの部屋となり、社外への出入りもスムーズ。各部署のスタッフが活発にコミュニケーションを取れる配置となったことで、情報共有が進み、仕事の効率向上や制作物のクオリティ向上にも効果が期待されます。
使い方に合わせて変える
今回は住居にオフィスを併設することから、玄関ドアの位置と仕様を変更。また、3階には個性的な内装材の採用で今までにないミーティングスペースをつくるなど、今やこれからに必要な機能を建物に持たせました。
今回のリノベーションでは、3階の一部に手を入れずに残したスペースがあります。「新しいオフィスがどんな場所だったら働きやすいか」をテーマに社内で話し合った意見をもとに、スタッフの多くが求めた「リラクゼーションスペース」を自分たちの手で整えていく計画があるからです。
より働きやすい環境を自分たちで考え、つくり出していく作業は、若いスタッフを中心としたプロジェクトチームで進行です。DIYの様子は、引き続きこちらのサイトで随時アップしていきますので、ぜひお楽しみに。
また、今回のリノベーションについて、設計を担当していただいた建築家の丸田絢子さんとReplan編集長が語り合った対談が、『Replan北海道vol.121』でお読みいただけます。ご興味ある方はぜひ、ご購入くださいね!
(文/Replan編集部)
【Replan House 見学会開催!】
◎7月28日(土)・29日(日):一般の方対象
◎7月30日(月)・31日(火)建築関係者及び建築を学ぶ学生の方対象
詳しくはこちらから