フィンランドでマンションの賃貸や売買でよく出てくるのが、「パイプラインリノベーション(フィンランド語でputkiremontti)はいつ?」という会話です。パイプラインリノベーション とは、配管を交換する工事のこと。フィンランドでは約50年に一度、これが必要になります。
工事期間の数か月は家に住めなくなるので一大事!家具などを他の部屋に移して、住みながら行われる場合もありますが、それはそれで大変なようです。例えばその間はシャワーが使えなくなったり、工事中の隣の部屋に住んだりすることになるのです。パイプラインリノベーションはとても大事なので、賃貸や売買などの住宅情報には必ず時期が記載されています。
私は、今の1930年代建築の賃貸マンションに住んで約7年になりますが、とうとうパイプラインリノベーションが近づいてきてしまいました。もちろん契約時には説明があったのですが、まさか7年も住むとは思っていなくて…。
大家さんからは3か月ほど他の場所に引っ越して、家賃は上げないからまた戻ってきてほしいと言われました。通常はリノベーションのあとは家賃が上がるそうなのです。でも短期間に2度の引っ越しは大変すぎる…ということで、この機会に新しい場所へ引っ越すことを決めました。
さてフィンランドの引っ越し事情ですが、一般的には業者さんには頼まず、自分たちでトラックを借りて、友人や家族・親戚に声をかけて一緒に行うケースが多いです。私は引っ越し先が徒歩10分の距離だったので、小さなものは友人と運び、大きな家具のみ業者さんに依頼しました。
これは引っ越し用の箱です。必要な数をレンタルできます。この箱がとてもうまくできていて、180度回転させればスタッキングできます。なんて賢い!引っ越し前後の何日間借りたいかも、自分のペースで決められます。自分で段ボールを集めたり、捨てたりという手間もなくて便利。
数週間後、友だちが引っ越し祝いを持って遊びに来てくれました。ライ麦パンと塩が、フィンランドの引っ越し祝いの定番だそう。「これで食べ物に困らない」という意味らしいです。
何もかもはじめての体験で大変でしたが、部屋探しや家具の配置、インテリアなど、職業柄楽しみながらのんびりやっています。新居は1950年代のマンション。パイプリノベーションが3年ほど前に終わったばかりなので、当分安心です。