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Q サイディングと屋根の接点部施工

質問者/神奈川県・masta mk
記事No.17876/カテゴリ:工事ミス・トラブル

今年セミオーダーで建てました新築ですが、サイディングと屋根が接する部分に施工された板金の仕上げとサイディングの切り込み部分が三角?になっていてコーキング処理されています。引き渡し前に見つけて工務店に伝えましたが、施工した工務店には形状上、これ以上は出来ようがないと言われました。

性能上の問題はないと言われても、新築の外壁で特にサイディングのコーキング部分は見る度に悲しくなります。屋根から流れる雨水を外壁に流れないようにするための施工とのことですが、他に出来る方法はないでしょうか。

A-1:回答者/屋根サポートいいだ 飯田 均

止水板の仕上がりの美観的問題を別にして、外壁が45°斜めになっている部分の屋根の収まりと雨だれを受けるためやむなくやった処置と思われます。

また、外壁の美観についても、サイディングのカットが難しい部分でもあり、写真では間違いなのか許容すべきなのか、判断ができませんでした。

ただし、雨水を雨樋にしっかり受けているか確認が必要です。それと、変則な部分だけに、風が付いた強い雨で外壁内に雨水が吹き込みやすい部分でもありますので、下張りシートが適切に施工されているのか施工途中の写真で確認しましょう。

雨後にサイディングにシミが付いたり、土台水切りに雨水が流れ出たりしていないか点検して下さい。

美観的問題が大きく、適切なアドバイスが出来ずすみません。他のアドバイザーの意見も参考にしてください。

A-2:回答者/一級建築士事務所(株)北工房 代表取締役 栃木 渡

水返しとかキャントとか呼ばれる部位です。「無くても」出来ますが、数年経つと間違いなく外壁に雨染みが黒く出てきます。

簡単に済まそうと思えば無いままで作ってある家はそこら中にありますが、一生懸命、後々のメンテナンス、建物の寿命の事を考えて対応している、むしろ私は好感がもてました。

美しいか美しくないかは主観の問題で、白黒はっきりするような問題ではありませんが、工務店さんにしてみれば、「一生懸命やったのに・・・」と、ちょっと残念がっているかもしれませんね。

質問者より

飯田さま・栃木さま。素人の私からは分からなく、疑問にとしか思えなかった部分でしたが、皆様にアドバイスを頂き、理解できるようになりました。皆様の言葉で気持ちも少し晴れるようになりました。

一生に一度の大きな買い物をして、思いを込めて細かい部分まで考えて建てたお家なので、これからももっと勉強して長年きれいな状態を維持できるように勉強したいと思います。適切な説明をしてくださり、ありがとうございます。


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