先日の記事「外観デザインの印象を決める!家づくりで知っておきたい外壁材の種類」では、6種類の外壁材について、その特徴と魅力を実例写真とともに紹介しました。今回はその中で、リプランの取材先でもよく目にする「木」と「ガルバリウム鋼板」を組み合わせた個性的な外観デザインのバリエーションをいくつか見ていきましょう。
バランスを重視して、階ごとに使い分ける
木とガルバリウム鋼板をMIXした外観デザインでよく見かけるのは、階ごとに素材を変えたケースです。特に1階と2階の面積の差が少ない総2階建てでこの方法を採用すると、下の3事例のように、木とガルバリウム鋼板のどちらにも偏らず、ちょうどいいバランスの外観が実現できます。シンプルに同系色でまとめるのもいいですが、あえて素材によって色を変えて2トーンにするのも個性的な雰囲気になっていいですね。
縦方向で張り分けて、素材の特徴を際立たせる
木とガルバリウム鋼板を縦方向で張り分けて、素材の特徴を際立たせるという方法もあります。こちらのお住まいは、交互に張った木とガルバリウム鋼板の外壁が、片流れ屋根と相まって、リズミカルな外観デザインに仕上がっています。
この家の場合は、裏手や側面はすべてガルバリウム鋼板の外壁ですが、LDKとつながる前庭のある正面のエリアだけ、床から天井までをまるっと木の外壁にすることで、温かみのある雰囲気を演出しています。
役割を決めて、ゾーンで使い分ける
敷地内の建物や住宅のボリュームに合わせて外壁材を変える際に、木とガルバリウム鋼板を使い分けて生かす例もあります。このお宅の場合、家自体はガルバリウム鋼板の外壁にして、ガレージや物置、塀といった外部スペースは木の外壁に。機能が異なる2つの空間を異素材で仕上げながら、住まい全体としての統一感を持たせています。
こちらは、2つの箱を1つに組み合わせて設計された住宅です。道路に向けて配した1つ目の箱は黒のガルバリウム鋼板、森に対して斜めに角度をつけて配置した2つ目の箱をスギ材にすることで建物に二面性を持たせ、相対するそれぞれの風景になじむよう意図されています。
一方こちらは、外側と内側で外壁材を変えたコートハウスです。四方を囲む外壁はガルバリウム鋼板で統一していますが、室内から見える中庭側は木外壁仕上げで、見た目の印象ががらっと変わります。木の外壁なら、常に目に触れていても気持ちがいいですよね。こんなふうに空間の役割に合わせて、木とガルバリウム鋼板を使い分ける方法もあります。
自由な使い分けで、外観に彩りを
パターンを決めずに木とガルバリウム鋼板を自由に組み合わせて、外観をデザインするのもアリです。この家は、ブルーグレー色に塗装して横張りにした木の外壁と、グレーと白で縦張りにしたガルバリウム鋼板の組み合わせ。1階部分はガルバリウム鋼板で木の外壁を囲み、2階部分は色の対比がとても特徴的です。
こちらは、ガルバリウム鋼板の仕上げ方に変化を持たせた例。正面は一般的な横張りで、側面は一文字葺きにしています。その上下に用いたグリーンの木の外壁は縦張りにし、目を引く外観デザインになっています。オリジナリティーにあふれていて、見ているだけで楽しいですね。
各実例を見ると、木+ガルバリウム鋼板という同じ組み合わせでも、色や張り方、張り分け方など、アイデア次第で全然違う雰囲気に仕上がっているのがよくわかります。これは木+サイディング、木+塗り壁など、他の場合でも同じ。マイホームを考えるときは間取りはもちろん、どんなふうに素材や色などを組み合わせて、お気に入りの外観デザインにするか想像してみるのも楽しいと思いますよ。
(文/Replan編集部)