日本に比べてフィンランドは新築マンションがとても少ないです。ヘルシンキには築年数の古いマンションがたくさんあって、リノベーションをしながら住み継がれています。
築年数の古いマンションでは、キッチン、トイレなどの水まわりは最新の設備にすることもありますが、外観や共用スペースのデザインはそのまま残すことが多く、この1930年代に建てられた4階建てマンションもそのひとつです。玄関や住人みんなが使う階段まわりはおそらくずっと、同じ色で塗り替えているのだと思います。新築マンションにはない味わいを感じます。
階段のすぐ横には、エレベーターがあります。とてもレトロな雰囲気で素敵なこのエレベーターは、今も現役。定員は4名です。
エレベーターに乗るためには、まず格子のドアを自分で開けます。そして次にアコーディオンドアを横に引きます。この手動式のドアが2枚あるエレベーターは、ヘルシンキにある建物ではときどき見かけます。私は慣れないので、いつもおそるおそる開けています…。
エレベーターはこのように階段の中心に配置されています。金網越しに、とてもゆっくりと上り下りするエレベーターがよく見えます。カゴが自分のいる階に来るときはけっこう大きな音(!)がしますが、乗って動いているときはあまり気になりません。エレベーターは壁で覆われていないので、そう感じるのかもしれませんね。
エレベーターの中には木のベンチがあります。これはあまり見たことがありません。木の質感もいいし、実用的ですね。
このレトロ感満載でゆっくりと動くエレベーターに乗っていると、なんだかゆったりとした気分になれます。現代のものと違って外の様子が分かり、閉塞感がないのもお気に入りのポイント。何よりも、このような古いエレベーターがまだまだ現役で動いているというのが素敵だなと思います。