創業当初オフィスとして使用していた『Replan House』をリノベーションし、新オフィスとして再活用するこのプロジェクトでは、改修工事にあたって部分的に、素材にこだわった建材を取り入れました。今回はミーティングルームのアクセントウォールの塗り壁塗装の様子をレポートします。
使った塗り壁材は、プラネットジャパンさんが販売するドイツ製の本漆喰プラネットウォールの「マーブルフィール(ウルトラマリンブルー色)」。大理石の骨材と石灰が主成分で、調湿・消臭効果に優れます。顔料だけを見ると、かなりパキッとした鮮やかな青色です。
昨日のうちに下地材までは施工済み。今日はいよいよアクセントウォールを仕上げます。ちなみにこの下地材は、プラネットウォールの施工専用で、強度の高い紙(パルプ)でできています。これによって施工しやすく、壁材がしっかりとくっつくと同時に、塗り壁のクラックを防ぐ効果もあるそうです。
この日は壁材の作り方などを説明するため、はるばる埼玉県からメーカーの担当者の高山さんが来道してくださいました。
まずは左官屋さんに壁材と顔料の調合の仕方をレクチャー。はじめに、今回使う漆喰10kgに対して3.5Lの水をバケツに用意します。
バケツの水の中に顔料500g(使う漆喰の5%分)を投入。ミキサーで、沈殿しないようしっかりと混ぜます。ここがポイントの一つで、「よく混ぜておくと、この後マーブルフィールを入れたときに色が均等に混じって美しく仕上がるんです」と高山さん。ちなみに、顔料の色の量によって壁の色合いを変えることができるので、微妙なニュアンスも表現できるのだそうです。
水と顔料がしっかり混ざったら、ミキサーでかく拌し続けているところへ、マーブルフィールを少しずつ加えていきます。一気に入れると漆喰がダマになってしまうので、「混ぜながら」「少しずつ入れる」のが大事。
かきまぜ続けること数分。次第に壁材の色が均一になり、左官屋さんも驚き!のもったりとした質感になってきました。十分に混ぜたところで1時間ほど壁材を寝かせます。「練りおき」といって、これをすることで壁材がダマにならず、施工性が良くなります。
…1時間後。
いよいよ壁塗り作業が始まりました。左官屋さんが壁材をコテで壁面になで付けるたびに「ジャリッ、ジャリッ、ガリッ、ガリッ」と音が響きます。これは壁材に、細かく砕かれた大理石が混じっているため。左官屋さんにとっては初めて施工する壁材で、「固めで、けっこう力が要る感じですね…」と感想を漏らします。
「ほら、こうやっても落ちない」と、左官屋さん。確かに。珪藻土や一般的な漆喰とは粘度の高さが違うのがよくわかります。プラネットウォールは乾燥が早く、1回塗りで済むのも魅力です。
それから、休む間もなく一気に塗り続けること30分…
ついに壁が塗り終わりました!が、想像以上の鮮やかなブルーに「淡いブルーに仕上がる」と聞いていたスタッフの顔には一様に不安の色が…。そんな気持ちを察した高山さんがすかさず「今は水分を含んでいるのでかなりはっきりと青いですが、時間が経つと水分が蒸発して、もっと淡いブルーになりますよ」と教えてくれました。
余った壁材で、現場にいたReplanのデザイナー2人がちょこっと壁塗りに挑戦!「消臭効果が高い」ということで、コンパクトな喫煙室内の外から見えるか見えないかのギリギリの位置に、見よう見まねで塗っていきます。やってみての感想は…「壁材がすごく重くて腕がぷるぷるしてくるし、薄く均一には塗れないし、どんどん乾いていっちゃうから難しい」!左官屋さんのプロの仕事に脱帽です。
壁塗りを終えてから、4時間ほど経った壁の様子がこちら。まだら模様ではありますがビビッドさは薄れ、やわらかなブルーに変化してきているのがわかります。ブルーは心を落ち着かせて、集中力を高めてくれる色。スタッフの集中力UPにつながる…はずです!
(文/Replan編集部)
取材協力
プラネットジャパン