【火】①物質が酸素と化合し、熱、光を伴って燃焼する現象。②物が燃えるときの熱い炎。③炭火。焚火。④調理のための熱。⑤火事。火災。⑥火打ち火。切火。⑦激しい情熱。(旺文社・国語辞典から)こうした火に関する多くの要素には物理的な意味と精神的な意味の2通りがある。
人類が太古の昔「火」というものを手にした時から人類の進化が始まったと言っても過言ではない。火はその扱い方次第で動物から身を守る武器になったり、暖をとり、狩りで得た食糧の調理など、火が人類にもたらした有益性は計り知れないものである。そんな火はほんの一世紀ほど前までは暮らしの中に炎として当たり前に存在していた。例えば囲炉裏や台所でのかまど、風呂の湯わかし、仏壇の灯明など、家屋内で火を燃やしていた時代があった。しかし、そうした火は火事の原因ともなり、安全性を優先するため、そして生活文化の向上のため、電力やガス、石油類が導入されると急速に姿を消した。
薪は燃やすことで煙や灰が生まれる。日本人はそうした副次的産物まで利活用した。例えば煙は茅葺き屋根の中に潜む害虫を殺したり、建築材の表面をススで覆うことで材を長持ちさせた。またススはにかわで練り墨を生み出した。そして、灰は火鉢で使われたり、食材のアク抜きや、畑の肥料などにも使われた。
このように火は人間の生活に欠かせないものであったが現代生活においては電磁調理器のように、その熱源を視覚的に認識できるものは少ない。そんな中にあって薪ストーブは木を燃焼させて熱を得るという人類の歴史と共にあった根源的かつ原始的な暖房器具である。しかし、薪ストーブは地域や建築仕様により、その使用に制約があるため専門家のアドバイスが必要だ。
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今回紹介するデンマークのライス社の薪ストーブはデザイン性、機能性共に最高のものだ。全体を構成している鉄板は高温下でも劣化しない堅牢な4ミリ厚のスウェーデン鋼が使われ、断熱材はバーミキュライトと呼ばれる鉱物の微細粒を熱処理し、モールド発泡させたものを使っている。このモールド発泡断熱材はストーブの構造に合わせて作られるため断熱切れが無く熱をもらすことがない。
さらに一次燃焼した炎と煙は高温の空気(酸素)を送り込み二次燃焼させることでより燃焼効率を高め、煙突からの煙は視認できないほどである。一日分の薪のストックは下部左側に確保されていて、その右側には空気取り入れ口からのパイプが格納されている、端正で極めて美しいミニマルデザインである。また、ストーブの天板は調理も可能な広さが確保されていて、ポトフなどの煮込み料理などに対応できるものだ。
火というものは不思議な力をもっており、人々を集わせたり、人間関係を密にする働きがある。このストーブの中にゆらめく炎がどんなドラマを生みだすのだろう。
■RAIS Q-TEE 2(ライス Q-TEE 2)
メーカー:RAIS(ライス)
サイズ:W582×D410×H883㎜
形式:スタンディング
重量:147㎏
価格:490,000円(税別)
<仕様>
フロントドア:全面ガラス
ガラス:シングル
煙突接続方法:上・後
<問い合わせ先>
RAIS日本総代理店 ダッチウエストジャパン 株式会社
https://www.dutchwest.co.jp
株式会社 北海道リンクアップ
http://h-linkup.co.jp