時計とは時を刻むもので古代より様々な工夫によって多種多様な時計が考案されてきた。それらは科学技術の発達により複雑な機械式のものからIT技術を使った電池式のものまで数多ある。
時計は大別すると懐中時計や腕時計など個人用の携帯式の小さなものでウォッチと呼ばれるものと、時計塔や花時計、置時計、柱や壁に掛けて使う大きなクロックと呼ばれるものがある。それらを総称する場合はタイムピースと呼ぶ。
両者は機械部分と文字盤、それに時を刻む針の3つの要素から成るものだ。文字盤というのは限られた要素であるが、そこには文字盤宇宙とも言えるほどの無限の表現の可能性が秘められている。中には時針、分針、秒針を持たない文字盤だけで時を表示するものもある。また、天井や壁に文字盤を投影するものや、一見すると木の直方体にしか見えないが内側から側面にデジタル文字で時刻が表示されるものなどユニークな発想の時計が販売されている。本来文字盤は平面の二次元のものであるが、立体的な三次元のものから、先に述べたどこにでも投影できる四次元的な文字盤まである。
また、腕時計には価格面で数千円のものから宝飾時計、工房時計と呼ばれ億単位の価格のものまで、他の分野では見られない価格差があるのも時計という独特の世界である。しかしながらそれらの機能は時を刻むという点では同じだ。ある人にとってはファッションの一部として、他方、ステイタスとして身に付ける人もいる。それぞれの時計は、それらを身に付ける人物の人柄を表しているのかもしれない。私は50年前大学生の頃に購入したものを含め、複数個愛用している。それらはその時々の服装や気分に合わせて選ぶことにしている。時計とは実に魅力溢れるアイテムだ。それは同時に時計をデザインするデザイナーにとっても特別な対象なのかも知れない。
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今回紹介するのはミッドセンチュリーのアメリカを代表する家具・プロダクトデザイナーのジョージ・ネルソンと彼のオフィスのスタッフ達によってデザインされたものだ。ネルソンオフィスの時計シリーズは多種あり、素材違いを含めると壁掛けのタイプだけでも26もの種類がある。いずれもミッドセンチュリーデザインの雰囲気を色濃く残しており、無機的な現代のミニマルデザインには無い魅力があり、若い人達に人気のデザインだ。
これらのミッドセンチュリーのデザインの名作には著作期限が切れていないにもかかわらず、粗悪なイミテーションが出廻っており注意が必要だ。知的財産権は保護されるべきであり、優れた機能や美しいデザインは容易に生まれない。作者やメーカーに敬意を払い、そのロイヤリティーは支払われなければならない。それは本物を使う際の心の在り様であり、心の豊かさはイミテーションには決して生まれない。
■Nelson Clock
サンフラワー クロック
素材:メタル、ウッド(バーチ)
サイズ:直径750㎜
価格:129,600円(税込)アイ クロック
素材:メタル、ウッド(ウォールナット)
サイズ:340㎜×760㎜
価格:47,520円(税込)ボール クロック(マルチカラー)
素材:メタル、ウッド
サイズ:直径330㎜
価格:36,720円(税込)スピンドル クロック
素材:メタル、ウッド(ウォールナット)
サイズ:直径577㎜
価格:51,840円(税込)
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