みなさんが家でもっとも長い時間過ごす空間はどこですか?家にはキッチンや書斎など、さまざまな場所がありますが、やっぱり一番は「家族みんなが集うリビング空間」ではないでしょうか。
そんなリビングに欠かせないのがテレビ。最近は「あまりテレビは観ないから置いてない」、「個室に小さなテレビで十分」という話も聞きますが、一般的にはリビングの一角をテレビスペースとしている家庭が多いでしょう。そこで今回は、テレビの背面を木のアクセントウォールとすることで、リビングをより豊かなデザインに仕上げるアイデアを、さまざまな実例を通して紹介します。
「インテリアの一体感」を重視したアクセントウォール
リプランの取材先には「自然素材による健康的な家」を求める方々も多いです。自然素材の代表格は「木」。数十年経っても変わらず居心地がよく、味わい深い経年変化が楽しめる素材ですよね。無垢の床や天井など、木をふんだんに使った住まいは、自然と心が安らぎます。そんな木の家の雰囲気を上手に生かしたアクセントウォールは、家全体のインテリアの一体感はそのままに、リビングに程よいポイントを与えることができます。
■ 縦のつながりに注目
天井まで伸びるアクセントウォールが印象的なこの2軒の住まい。1軒目は、壁を天井と同じリブ形状仕上げにすることで、インテリアの一体感が増しています。2件目は、テレビ背面の壁に道南スギの木板を張ることで、やわらかくポイントをつけました。
■横のつながりに注目
上記の2事例が天井と壁の縦のつながりを意識したデザインなのに対して、こちらの事例は横のつながりがポイント。玄関を入るとホールからすぐリビングへ直行できる動線ですが、玄関からリビングまで続く木のアクセントウォールのおかげで、全体的に統一感のあるデザインとなっています。その壁の前に造作のテレビ台兼収納をしつらえました。
■マンションリノベでも採用
マンションでも、木のインテリアを取り入れることで、温かみのあるお部屋を演出することができます。築35年のマンションをリノベしたこの家は、木のフローリングに合わせて、テレビ背面の壁一面を木のアクセントウォールにしました。淡くて優しい色合いの木が、白のインテリアを引き立てます。
■端材を使ったアイデア壁
こちらはウォールナット特有の濃い色調をベースに、LDKのインテリアをコーディネート。アクセントウォールにもウォールナットを使い、デザインを統一しました。ここで注目すべき点は、端材を使用しているということ。本来は破棄される端材ですが、個性的で素敵なデザインのアクセントウォールになりました。
間仕切りや収納など、機能性も加わったアクセントウォール
木の壁を用いることでデザイン性を向上させると同時に、さまざまな機能性を持たせることもできます。例えば間仕切りとしてアクセントウォールをしつらえたり、大きなサイズの造作収納をつくって、テレビ台兼仕切り壁として使ったりすることも可能です。
■間仕切り壁&ワークスペースの収納棚
このお住まいでは、収納スペースとリビングの間にカラマツの木壁を挟み、テレビ台を設置。白を基調とした空間の心地よいアクセントになっています。配線などは造作のテレビ台の中に収められて、テレビまわりがスッキリと気持ちよく片付き、掃除もしやすいつくりです。
■テレビも置ける、大きな造作間仕切り収納ユニット
下の2軒の住まいは、大きな造作収納をテレビ台兼仕切り壁として使っているケースです。収納を造作すると、空間にぴったりと合ったサイズの収納スペースができて限られた室内空間を効率より使えるメリットがあります。
よくよく考えてみると、テレビのある場所は「家族の視線が最も集まる場所」でもあります。木のアクセントウォールは、無機質なテレビの印象を和らげ、インテリアに馴染ませる働きもしてくれます。ただテレビを置くだけの場所、と考えずに自分たちらしい工夫を凝らすことで、リビングがさらに居心地のいい家族団らんの場所になるのではないでしょうか?
(文/Replan編集部)
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