創業当初オフィスとして使用していた『Replan House』をリノベーションし、新オフィスとして再活用するこのプロジェクトでは、改修工事にあたって部分的に、素材にこだわった建材を取り入れました。今回はその床材選びの様子をレポートします。

シーゲルショールーム
さまざまな材を効果的に使ってデザインされたシーゲルさんのショールーム

床材選びに向かったのは、札幌市にある株式会社シーゲルさんのショールーム。室内にはさまざまな樹種や色、サイズの床材が整然と並べられていて、お客さんが実際に手にとって見ることができるようになっています。

シーゲルショールーム
下段の棚差しになったサンプルを、上段のラックに並べて比較しながら色味や素材感を検討できる

アクセントウォール
板材は壁に張って、アクセントウォールのように使うことも

もちろんショールームの床も、見本の一部。ある程度の広さで施工されていると、より実際の仕上がりイメージがはっきりします。床材の張り方が変わると、空間の雰囲気までも変わる、ということが一目で分かりますね。

試しにスリッパを脱いで、靴下履きで歩いてみると…「!」。床材によって、足の裏の触り心地や温度の感じが全然違う! 対応してくださったシーゲルの代表、華輪茂さんによると、樹種によって木の密度が異なり、それが感触や温度感覚の違いになるそうです。

床材バリエーション
斜めにしたり、材の長さや幅をランダムにしたり…床は、表現方法のバリエーションも豊富

取材に行く先々で実感するのは「床材って大事!」ということ。コストダウンしようとすると、どうしても設備機器のグレードを落としたり、内装仕上げ材を単価の安いものにしたりせざるを得なくなります。でもそこを少しがんばって、床だけでも本物の木の床材を使うと空間自体のクオリティーがぐっとアップする、と感じられます。

とはいえ今年は床材で人気の高いナラ材は、原料不足気味。価格も上がっている中で、シーゲルさんでは原料不足の影響も少ない、厚さ2〜3㎜の無垢材の挽き板を張った「ハイブリッド」シリーズも展開しています。一般的な突き板は厚みが0.6mmほどなので、それに比べるとだいぶ厚みがあります。この厚みのおかげで、感触も無垢材並み。しかも、床暖房でも使用可。これなら無垢材のメリットを生かしつつ、コストを抑えることもできそうです。

そんなこんなで「どれも素敵!」と目移りするなか、ふと弊社のT専務の目に留まったのが、どことなく古材風なこの床材『ナラ製材肌(アンティーク土足用)』でした。

ナラ製材肌(アンティーク土足用)

「あえて鋸目(製材した痕)を残し、天然乾燥中の、雨にさらされてできたシミや汚れをそのまま生かして、表面をうっすらとグレイッシュな塗料で仕上げた(華輪さん)」という商品です。その性質上、若干材が反っていたり毛羽立っていたりするので、素足で歩く一般住宅では使うのがなかなか難しいものの、アパレルなどの店舗では人気なのだとか。

リプランのオフィス内はみんな、スリッパやサンダル履きなので、問題ないでしょう!ということで、3Fミーティングルームとそこに続く廊下の床材は、T専務が一目惚れしたこれに決定。仕上がりの全容は…リノベーションの「アフター」記事でお披露目です。お楽しみに!

(文/Replan編集部)

取材協力
株式会社シーゲル