新型コロナウイルスの感染拡大により、ビジネスでもプライベートでもなかなか落ち着かない状況が続いています。せっかくのゴールデンウィークですが、帰省をオンラインに、旅行を見送って家で過ごす、という方も多いでしょう。大人はもちろん子どもたちにとっても、なかなか外で遊べずにずっと家にいるのは大変なこと。友だちと一緒にボール遊びや公園の遊具を楽しみたい気持ちを、ぐっとガマンしているはずです。
こんなとき、家の中に思いっきり身体を動かして遊べる場所があると、ストレス解消になります。実際最近は取材先でも、アスレチック要素を取り入れた住宅が増えています。そこで今回は「家の中で思いっきり遊ばせてあげたい」、そんな親心を叶える楽しい工夫がいっぱい詰まった3軒の住まいをご紹介します。
屋内がアスレチックパークのような家
ご本人と息子さんの肌が弱く、なるべく科学物質を使わない住まいにしたかったと話すMさん。完成した新居は、木の優しい肌触りが心地よい無垢フローリング、壁や天井には漆喰の塗り壁など、自然素材が活きる家です。そしてもうひとつの希望は、「子どもたちが全身で楽しめるような家にしたい」ということでした。
ロフトまで続く大きな吹き抜けに張られたアスレチックネットは、その希望をカタチにしたもの。1階と2階にはそれぞれブランコがあり、2階の壁の一部は最上階のロフトまでボルダリング壁になっていて、壁やネットを使って登ることができる楽しい構造です。お子さんたちは上下左右と自由に動き回り、まるで家全体がアスレチックパークのよう。これなら思う存分、家で身体を動かせますね。
4人兄妹がめいっぱい遊べる「プレイルーム」のある家
8歳と5歳、3歳の双子を育てながら、共働きをしているYさんご夫妻。4人のお子さんたちは年々活発になり、アパート暮らしにも限界を感じたので、戸建ての新築を決意。「子どもの成長に合わせて空間の用途を変えられる楽しい家にしたい」というコンセプトで、地域の工務店とともに新居をつくり上げました。
子育てファーストなこの家のシンボルは、2階に設けた18帖相当の子ども部屋。入り口のボルダリングとつながる屋根裏ロフトを備えた間仕切りのない空間は、お子さんたちお気に入りのプレイルームです。雨の日も、お子さんたちは退屈することなく、元気いっぱい家の中を走り回っています。新居で楽しく過ごす子どもたちそ姿を見て、「思い描いた以上の子育て環境が実現できて大満足」と、奥さんも嬉しそうです。
家がフィールド!一年を通して外遊びを楽しめる家
敷地を最大限に活かし、一年を通して家にいながら外遊びが楽しめるように設計されたお住まいもあります。アウトドアが趣味というご夫妻が暮らすのは、住宅街にありながら、外からの視線を気にせずに四季折々のアウトドアレジャーが楽しめる家。住宅よりも庭のほうが広いという大胆な設計です。通りから見ると、窓もなく閉ざされた印象ですが…
引き戸を開けて前室を抜けると、広々とした中庭が現れます。もともとはアウトドア好きのご夫妻の要望と「雪国だからこそ、あえて外を拒絶せずに自然を楽しめる住環境をつくることが、本質的な住まいの快適性につながる」という担当者さんの想いから生まれた家ですが、外出を控えるべき今のような状況でもそのポテンシャルを発揮。春から秋にはバーべキューや自宅キャンプ、夏にはプール、冬には雪遊びが楽しめるこの外部空間が、Sさんご家族の日々を豊かに彩っています。
冬が長くて雪も多く、外で思い切り遊べる期間が短い北海道や東北の住まいのなかには、ご紹介したような家で遊べるさまざまな仕掛けを備えた家が多く見られます。またお子さんの遊び場にもなるロフトや学習用のカウンタースペースは、収納や仕事のワークスペースなど、家族みんなの暮らしやすさにもつながります。家づくりをお考えの方は、どんな状況でも家族が元気に健康で暮らせる住まいのかたちを、探ってみてくださいね。
(文/Replan編集部)