薪ストーブの導入では、「薪ストーブの機種をどうするか」「家のどこに置けばいいか」などに加えて「炉台や炉壁をどんな仕様にするか」というのも検討すべき大きなテーマの一つです。

「炉台」や「炉壁」が、部屋の印象を決める!」の記事でも触れたように、薪ストーブのある家づくりでは、薪ストーブまわりの一定距離の内装材を「不燃材」で施工する必要があります。

この「不燃材」は、レンガ、タイル、鉄板、コンクリートなど多種多様。しかも、インテリアのイメージにも大きく関わります。そこで今回は特に薪ストーブを引き立てる、「タイル仕上げの炉壁」をリプランで取材したお住まいの中からご紹介します。


1. レンガ調のタイル仕上げの炉壁

薪ストーブ+レンガ壁は、「薪ストーブのある暮らし」のイメージそのままのパーフェクトな組み合わせ。ただ、家のつくりによっては本物のレンガを積んで壁をつくるのが難しいこともあります。

そこで用いられるのが、レンガ調のタイルです。厚みが薄いだけでテクスチャーは立派にレンガ。風合いや色にもバリエーションがあって、お住まいの雰囲気にも合わせやすいです。

赤茶色のレンガ調タイルで仕上げた炉壁
赤茶色のレンガ調タイルで仕上げた炉壁
カントリーテイストのインテリアに合わせた、優しい風合いのレンガ調タイルを採用。炉台ともコーディネート
カントリーテイストのインテリアに合わせた、優しい色・風合いのレンガ調タイルを採用。炉台ともコーディネートして仕上げられている
この家の薪ストーブまわりは、グレー色のシックなレンガ調タイルとコンクリートを組み合わせた仕上げ
この家の薪ストーブまわりは、グレー色のシックなレンガ調タイルとコンクリートを組み合わせた仕上げ

2. コンクリート・セメント調タイル仕上げの炉壁

最近はリビングの一角や玄関にコンクリート土間を設け、その一角に薪ストーブを置く家も増えています。またインテリアでは、インダストリアルに代表されるようなスタイリッシュさのなかに素材感を生かしたテイストも人気です。

そんなニーズに応えてくれるのが、コンクリート・セメント調タイル。コンクリート土間との相性は◎。モダンなデザインの薪ストーブともよく合います。

土間コンクリートと統一感をもたせることができる、コンクリート・セメント調タイル
土間コンクリートと統一感をもたせることができる、コンクリート・セメント調タイル。モダンなデザインの薪ストーブともよく合う
木を活かしたシンプル・ナチュラルな空間でも、しっくりと馴染んでいる
木を活かしたシンプル・ナチュラルな空間でも、しっくりと馴染む

3. 石・石調タイル仕上げの炉壁

リプランで取材先を見ていると、タイルを使った炉壁のなかで最も多いのが、「石」や「石調」のタイル。木や塗り壁とも相性がよく、空間の上質感を演出できる点が大きな魅力です。

タイルのサイズから色、質感まで種類の幅が広く、コーディネートの自由度が高いのも人気の理由ではないでしょうか。北海道では「札幌軟石」、東北では「十和田石」などご当地の天然石材を用いるお住まいもよく見られます。

細かいテクスチャーの石調タイル

床から天井までにタイルをあしらった炉壁。薪ストーブを引き立てる
床から天井までに細かいテクスチャーのタイルをあしらった炉壁。薪ストーブを引き立てる
コーナーをタイルの炉壁で仕上げて、上質感と存在感をプラス
コーナーをタイルの炉壁で仕上げて、上質感と存在感をプラス

タイル表面の凹凸が空間のアクセントに

炉台に用いたテラコッタタイルとともに薪ストーブを引き立てる

正方形や長方形の石調タイル

よく見るとさまざまな色が混ざりあった鮮やかな石調のタイルを炉壁と炉台に使用。赤色の薪ストーブとエキゾチックなデザインの家具やラグにぴったり
よく見るとさまざまな色が混ざりあった鮮やかな石調のタイルを炉壁と炉台に使用。赤色の薪ストーブとエキゾチックなデザインの家具やラグにぴったり
ハースストーン社のソープストーン張りの薪ストーブに、明るく優しい色味のタイルがよく似合う
ハースストーン社のソープストーン張りの薪ストーブに、明るく優しい色味のタイルがよく似合う

色や質感、まわりの内装材との組み合わせによって、オリジナリティのある空間演出が可能
色や質感、まわりの内装材との組み合わせによって、オリジナリティのある空間演出が可能

ご当地の天然石タイル(札幌軟石、十和田石)

淡いグレー色の「札幌軟石」は、シンプル・ナチュラルなインテリアデザインのなかで、心地よいアクセントに。コンクリート土間や白い壁と相性がよく、北海道の家づくりでは好んで使われる石材
淡いグレー色の「札幌軟石」は、シンプル・ナチュラルなインテリアデザインのなかで、心地よいアクセントに。コンクリート土間や白い壁と相性がよく、北海道の家づくりでは好んで使われる石材だ
炉壁としての使われ方もいろいろ
青みがかった色合いが十和田石の特徴
青みがかった色合いが特徴の十和田石。保湿・保温や消臭効果があるといい、薪ストーブまわりの壁材に使うのにも適している

このように少し見ただけでも、たくさんの種類があって迷ってしまいますよね。薪ストーブはLDKの一角に置かれることが多いので、空間のほかの要素との兼ね合いやバランスも大切です。建築家さんや建築会社の担当者さんに相談しながら、心地よい薪ストーブまわりを実現してくださいね。

(文/Replan編集部)

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