前回の「家族も動物も快適な間取りを!ペットと暮らす家」で紹介した2つの住まいには、家族はもちろん、愛犬・愛猫の快適な生活に配慮した細かいプランニングが施されていました。
今回もその続き。それぞれ規模や方法は違っても、ペットと快適に暮らすためのさまざまなアイデアが詰まった住まいの形をご紹介します。
愛犬と一緒に自由にのびのび
ドッグルームのある住まい
こちらは、3頭の愛犬と一緒に愛知県から東川町へ移住されたIさんのお住まいです。「旧居の庭には狭いドッグランしかなく、もっと広い庭があったら自分がケガや病気のときも犬たちを遊ばせられるし、これから年を取ってもお互いにストレスがなくて安心だと考えました」と、暑さが苦手な犬たちが快適に暮らせる北海道への移住を決めました。
清々しい木の香が漂う暖かい新居には、ドッグランにできる広い庭と、愛犬たちが自由に庭への出入りができるドアがついたドッグルームが備えられ、愛犬とともに北海道での暮らしを満喫できるようになりました。
こちらのKさんご家族は、結婚して2年後、奥さんが大きな犬と暮らしたいとゴールデンレトリーバーを飼い始め、その後、娘さんが生まれました。
新築にあたって、お子さんと愛犬がそれぞれに居心地の良い場所を持ち、のびやかに共生できる住まいを希望。リビングの一部に、ガラスで間仕切りした愛犬専用ルームのある家が完成しました。娘さんと愛犬は元気に駆け回り、新居での暮らしを楽しんでいるそうです。
デッドスペースを活用し
愛犬の居場所を確保
Mさん宅は、建て替えを機に薪ストーブを取り入れ、リビングの横に広い土間空間を設けました。この土間のある広いリビングが愛犬たちの遊び場です。そんなリビングと玄関側の廊下の仕切りになっている壁の一部をくり抜いて、愛犬たちのくつろぎスペースをつくりました。反対側も空いていて通路になっているので、犬たちの移動も楽そうです!
羊蹄山が美しく眺められる立地に建つNさん宅。小さいお子さんが2人いて、大型犬も一緒に暮らしています。580坪という広い敷地のおかげで愛犬ど外での生活は申し分ないですが、室内でもリラックスできるよう、階段下スペースを活用して愛犬のおうちを設えました。
愛猫の楽しい暮らしのための
さまざまな造作のアイデア
犬のための空間というとそれなりの面積が必要だったりもしますが、猫の場合はキャットワークやキャットタワーなど、割と元々ある構造体を活かしながらつくることができます。ここではそんな工夫が凝らされた造作の数々をお見せします。
case.1 家を横切る長いキャットワークのある家
愛猫と人がさりげなくゾーニングされた空間で、両方がストレスを感じずに安心して暮らせることを希望したMさんご夫妻。玄関ホールの一角に設置されたキャットタワーから上がれるキャットウォーク、キャットウォークから高窓へ続くステップを造作し、愛猫が退屈せずに自由に過ごせるようになりました。
case.2 猫と犬が仲良く快適に暮らせる家
2匹の猫と1匹と犬と一緒に暮らすSさん宅。旧居では、猫は寒さから逃げるために限られた部屋を行ったり来たりするしかなく、ストレスからシンクの汚れをなめてしまったり、床を汚したり、犬と喧嘩をすることもあったそうです。以前の住まいで抱えていた問題を解決した新居は、キャットウォークとしての機能も果たすリビングの梁、フタができるキッチンなど、猫と犬のための優しい仕掛けが設けられています。
case.3 猫も景色を楽しむ家
札幌市の藻岩山の麓にたつ、山小屋のような佇まいのFさん宅。豊かな眺望を生かしたこの家で、1匹の猫と一緒に暮らしています。ご本人だけではなく、愛猫もゆっくりと景色が楽しめるよう、窓枠は猫が座れるよう幅広にデザインされています。横に長いキャットワークからは梁やロフトへ移動できます。
ドッグルームのある家、デッドスペースを犬の居場所に使った家、猫のための造作が生きる家の数々…今回ご紹介したどのお宅も、それぞれの家族のペットへの愛がにじみ出る個性あふれるお住まいでした。
最後に、どんなペットを飼っているかによって、求められる室内環境などは変わってきます。ペットとの暮らしを考えた家づくりでは、空間の工夫ももちろんですが、暑さや寒さ、温湿度などもきちんと考えないといけないということを忘れないでくださいね。
(文/Replan編集部)