薪ストーブのある部屋が素敵に見えるのは、薪ストーブや揺らぐ炎が魅力的だから。ですがそれにプラスして、ストーブまわりの壁や床の素材やつくりも素敵だと、魅力が何割増しにもなるんです。
薪ストーブは「火」を扱うものなので、設置には防火に関する法規を考慮する必要があります。薪ストーブ自体が高温の熱(輻射熱)を放出するため、そのまわりの一定距離の内装材は不燃材でつくるのですが、その床を炉台(ろだい)、壁を炉壁(ろへき)と呼びます。
「薪ストーブといえば、レンガ壁でしょう!」という印象をお持ちの方も多いかもしれませんが、炉台や炉壁には他にも不燃性の高い、石、鉄板、コンクリート、ガラス、タイルなど、さまざまな素材を使うことができます。こんなふうに比べてみると、素材によって空間の印象が変わるのがよくわかります。
例えば、カントリーな印象が強い赤色レンガやテラコッタタイルも、グレー色のトーンで仕上げると、こんなにスタイリッシュでモダンな印象に変化します。空間をどう見せたいかによって、素材が壁を覆う面積を変えると効果的です。
こちらは、炉台と炉壁をいずれも鉄のプレートで仕上げたケース。北欧デザインのシンプルな薪ストーブに馴染んで、よく合います。フローリングの木の優しい感じと、鉄のハードな感じの組み合わせも、魅力的ですね。
炉台をタイル、炉壁を大谷石で仕上げて淡いグレーのトーンにまとめることで、上質感のあるリビング空間に。このお宅では炉台をフローリングのレベルよりも一段下げて、土間と一体化させ、薪の運び入れや掃除をしやすくしています。
このように、インテリアの好みや選んだ薪ストーブのデザイン、置く場所の条件などに合わせて、上手にコーディネートすれば、自分たちだけの特別な薪ストーブ空間ができるはず!ただ、家の設計や工事の予算などにも関わってくることなので、事前に施工会社や薪ストーブ店などの専門家によく相談することが大切。じっくり検討して、納得のいく薪ストーブのある空間づくりを目指してくださいね。
(文/Replan編集部)