最近は家のなかに、家族みんなで使えるワークスペースやスタディスペースを造り付ける家が多く、リプランの取材先でもかなり頻繁に目にします。場所は、家の間取りやご家族のライフスタイルによってさまざま。LDKまわりにある家もあれば、2階ホールの一角につくる家もあります。
「子どもたちが自室ではなく、ダイニングテーブルで宿題などの勉強をする」という話は取材でもよく耳にしますが、そのような傾向を反映してか、特に子育て世代のご家族の家でよく見るのが、ダイニング・キッチンの近くにワークスペースやスタディスペースを造り付けたケースです。そこで今回は、ダイニングまわりにワークスペースを設けた例をいくつか見ていきましょう。
ストレートダイニングとも相性◎!
キッチン背面収納+ワークスペース
対面キッチンと横並びにダイニングセットを配する「ストレートダイニング」は、もはやLDKの定番の間取りのひとつ。食事の準備や片付けするのに動線が良く、調理ダイニングで勉強するお子さんの様子にも目が届くので、子育て世代に好評です。
念願のカフェテイストで可愛らしく仕上げたこちらのお住まいもストレートダイニングを採用したLDKですが、キッチンの背面収納の並びにワークスペースを配置。ご家族のニーズを満たしつつ、空いたスペースを有効活用できるためでしょうか、最近とても多く見られる間取りです。
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ワークスペースの壁は、グレー色のクロスで仕上げてアクセントウォールに。カウンターの端には、文房具などの小物を収納するのに便利な扉付きの棚も造り付けてあります。壁には時間割やポスターなどを貼れるので、家族の掲示板としても重宝しますね。
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こちらもストレートダイニングにして、キッチン背面収納の並びにお子さん用のスタディスペースを設けた例です。壁をタイルで仕上げたことで、インテリア性の高いLDKになりました。スタディスペースはお子さん2人がゆったり座れる広さ。壁面に造り付けたボックス型の収納棚は、本棚にしてもいいですし、お気に入りの小物を飾るディスプレイ棚として使っても良さそうです。
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北欧テイスト香るこちらのお住まいは、厳密にはストレートダイニングではありませんが、上でご紹介したのと同じくキッチンの背面収納の並びにワークスペースを設けています。特徴は大きな窓と、壁面の上下に設けた造り付けの収納棚。お子さんの勉強スペースとしてはもちろん、奥さんの家事スペースとしても便利です。
ダイニングエリアの壁面を生かした
ワークスペース
敷地条件や間取りによっては、キッチンの背面収納に横並びにワークスペースをつくるのが難しいこともあります。その場合は、ダイニングエリアの壁面を使ってみるのも一案です。
こちらのお住まいは、キッチンの背面収納の並びに天井の高さまである3枚扉付きの収納スペースを設けています。そこで、ダイニングエリアの壁面に、お子さん2人が並んで使えるスタディスペースを設けました。
これならダイニングエリアの壁側を有効利用できますし、お子さんたちは、ダイニングでもスタディスペースでも、お父さんやお母さんに見守られながら、楽しく安心して宿題や勉強に集中できます。
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「たっぷりの収納もほしいけど、ワークスペースもできればほしい」という場合は、下の写真のお宅のように、キッチン収納の並びに1人分の幅のコンパクトなカウンターを設けるのも手ですね。
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こちらもダイニングエリアの壁を上手に活かしてワークスペースにした例です。奥まったところにあって、壁をシックな色合いに仕上げているせいか、心地よい籠もり感があります。
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少しイレギュラーなかたちですが、対面キッチンのカウンターの代わりに造作のテーブルを置いてワークスペースのようにしたこんなお住まいも。この家は二世帯住宅で、子世帯のご家族がリビングを広く使うため、あえてダイニングテーブルを置かずに、このようなレイアウトにしたそうです。
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何かと便利なワークスペースやスタディスペースですが、ともすると「気軽に物を置ける台」になって、家のなかが散らかる一因にもなりかねません。プランニングでは、誰がどのように使いたい場所なのか暮らしを想像しながら、ご家族にとって最適な場所を考えてみてくださいね。
(文/Replan編集部)