去る8月31日、ヘルシンキでは「クリーニングデイ」が開催されました。「クリーニングデイ」とは、フィンランド発のリサイクルイベント。年に2回、誰でもどこでも参加できるフリーマーケットです。2012年から始まり、フィンランドではかなり広く知られていて、大きな広場や公園などは多くのお店で賑わいます。世界的にも広がっていて、日本でも開催されています。https://cleaningday.jp/

友だちが「広場でやってるよ」と写真を送ってくれました。

広場でお店を広げる友だち

でも残念ながら私は今回は広場には行けなかったのですが、近所で女性2人がお店を広げていたのでのぞいてみると、懐かしいダイヤル式の電話が。この箱の中のものはすべて、50セントから2ユーロ(約80円~260円)。

白いカップは、日本でも知られているARABIAのもの。こんなふうに人気のブランドものが、さりげなく売られていることもあります。

このお店の女性に、クリーニングデイについて聞いてみると、こんな答えが返ってきました。「私にとってクリーニングデイは、モノに新しいおうちを見つけてあげる機会。このイベントが始まったころからずっと私たち2人で参加しているの。もう10回以上かな。去年だけは、雨が降ってやめたけど。売るコツは、高すぎない値段をつけることね」。

マンション前でお店を出していた女性

最近はイベントが大きくなって、公園などで参加する人が多くなっていますが、この2人はいつも自分が住むマンションの前にお店を開いているそうです。

並べられた商品のなかで、私が気になったのはフタつきの中華鍋。すると「IHヒーターに変えたので使えなくなって売ることにしたの。フィンランドのHACKMANというブランド知ってる?肉をこうやってふちにおいて使えるよ」と説明してくれました。クリーニングデイの楽しいところは、こうやって前の持ち主に会えて、直に話が聞けるところ。もちろん買って帰りました。

手に入れた蓋付きの中華鍋

このイベントは年に2回のみの開催ですが、フィンランドでは他にもリサイクルの方法があります。街中にあるこの箱は服やバッグ、靴などを寄付するためのもので、365日・24時間いつでも入れられます。

photo UFF

設置しているのはUFFという非営利団体のリサイクルショップで、ここで集められたモノはヘルシンキ市内にある店舗で販売され、その売り上げはアフリカやインドの開発プログラムに寄付されるという仕組みです。http://uff.fi/in-english/  

私も含め、モノを持ちすぎた現代人。自分の家を片付けられると同時に、使わなくなったモノが新しいおうちを見つけられるのは素敵なことだと思います。