今の家づくりでは、浴室には「システムバス」を選ぶケースが大多数ですが、私たちの取材先では、フルオーダーメイドの浴室を目にすることも時々あります。建築費は割高になってしまいますが、魅力は何といってもその自由度の高さ。浴槽のかたちから内装の仕上材の種類や色などを、自分好みに選べます。
なかには、映画やドラマで良く見るような「置き型バスタブ(浴槽)」を実際に採用しているお宅も。どんなふうに使っているのか、興味ありますよね。そこで今回は、その置き型バスタブの採用例をいくつかご紹介しましょう。
実は手入れがしやすい!?
置き型バスタブ
美容室併設のこちらのお住まい。施主のEさんご夫妻は新築にあたって、浴室を探しにショールームを回りましたが、ピンと来るものがありませんでした。そこで建築会社から提案されたのが、床をFRP防水、壁をFRP防水と水に強いヒバ材で仕上げた浴室にバスタブを置くスタイルでした。手入れが大変なのでは、と思いきや、このバスタブはくるっとひっくり返して裏側まで洗えるので「カビに悩まされず、いつでも清潔」なのだそうです。
オープンな間取りに
軽やかなデザインがぴったり
三角形が3つ連なる特徴的な外観が目を引くこのお住まいは、屋内のつくりも個性的。小上がりのようなダイニングのまわりを土間がぐるりと囲んでいます。浴室はその土間の一角にあって、使うときだけシャワーカーテンで仕切るようなオープンなデザイン。足元が軽やかな印象の置き型バスタブが、空間にしっくりとなじんでいて、まるでインテリアの一部のようですね。
水まわりをより豊かな
暮らしの場にアップグレード
洗面スペースと浴室との一体感を重視して、より豊かな暮らしの場にアップグレードするための選択肢のひとつとして、置き型バスタブを採用している例もあります。
Sさんご夫妻のお住まいは、海まで見渡せる高台という絶好のロケーション。そこでその眺望を生かしてレイアウトした浴室に、置き型バスタブを採用しました。浴室と洗面スペースをガラスで仕切ったことで、水まわり全体がより明るく開放感が感じられます。ガラス越しに見えているのが置き型バスタブだと、気分も上がりますね!天井はスギ板張りですが、床と壁はFRP防水仕上げにしてコストを抑えているそうです。
事例を見ていると、コストを抑えるための手段として「FRP防水仕上げ+置き型バスタブ」を採用することも多いようです。一番気になるのは、メンテナンスのしやすさかと思いますが、10年以上使っているのにカビも生えていない置き型バスタブユーザーの方のお話では「換気がしっかりできて、定期的に掃除さえしていれば、大丈夫ですよ」とのこと。注文住宅での新築やリノベーションを検討中の方は、この「置き型バスタブ」も浴室の選択肢に入れてみては?
(文/Replan編集部)