いま、関西エリアで高断熱・高気密住宅に対する注目が集まっています。「断熱」というと「冬暖かい」というイメージのみで捉えられるかもしれませんが、実は高断熱・高気密住宅は、それだけではなく「夏涼しい」「年中快適」「ランニングコストが少ない」家なのです。
そんな住まいが少しずつ関西エリアにも広がる中、エリアで精力的に活動する新住協とそのメンバーである工務店、住宅実例にフォーカスしてご紹介します。
新住協とは？
伝統的な日本の木造住宅は住宅性能が低く、寒いのが当たり前とされていました。そんな状況から脱却するために住宅の断熱・気密性能の向上を追求、技術開発を行うことで日本の住宅技術の進化をリードしてきたのが新住協（新木造住宅技術研究協議会）です。代表理事の鎌田紀彦（室蘭工業大学名誉教授）氏の指導のもと、全国の住宅事業者800社以上が参加する、住宅技術開発の実践的研究団体で、誰もがいい家を求められる社会環境づくりを目指して活動しています。
新住協は、1985年に既存の在来工法で建てられた木造住宅の熱性能の問題点を改良した「新在来木造構法」を発表。以来技術開発を継続し、日本の寒冷地住宅を革新すると同時に、夏場の冷房効率も高い環境を実現させています。そうした活動の集大成が、国の省エネ基準のさらに半分以下のエネルギー消費量で快適に暮らせる「Q1.0住宅」です。
Q1.0住宅の魅力
Q1.0住宅の目的は、地球温暖化が明確になってきた今、住宅の基本性能を上げることで暖房・給湯などに消費するエネルギーをできるだけ削減し、その結果としてCO2を削減しつつ、快適な生活を送れる住宅をつくるところにあります。
たとえば、太陽熱が入ってくる方向を考慮して窓の大きさを決め、特性に合った性能の窓を選定したり、冬の太陽熱や夏の夜の冷気を蓄えられるように、基礎断熱を行い住宅内の熱容量を高めます。また、省電力な熱交換換気設備を採用し、断熱はローコストで施工性の良い工法を開発して厚さをもう少し厚くするなど、Q1.0住宅は、熱損失を減らしながら太陽熱をもっと取り入れることで、暖房エネルギーを減らすという考え方を基本としています。こうした高性能な家づくりの追求が、住む人の健康を守り続けながら、暖房コストを低く抑え、経済的にも助けてくれるのです。
関西で活躍する工務店たち
全国各地にある多くの会員たちが、それぞれの地域に暮らす方々に「豊かな住環境」を提供するために、多くのQ1.0住宅を建築しています。その中でも活発な活動を見せるのが新住協関西支部です。70社以上の工務店・設計事務所が登録している関西支部は、支部単独の勉強会でも1回に80人以上が参加するほど、高断熱・高気密住宅づくりへの意識が高く、会員のみんながいい家をつくって地域に残していけるよう、お互い活発に情報交換を行っています。ここに、そんな新住協関西支部会員工務店の素敵な住まいを紹介します。
Case01. 高性能住宅で夏も快適な暮らし
元々高断熱・高気密の家に興味を持っていたTさん。神戸の里山住宅博でヴァンガードハウスを見学したときに家の暖かさに驚き、施工を担当したダイシンビルドに自宅の新築を依頼しました。細長い敷地を最大限に生かした長方形の家が2018年に完成。記録的な猛暑が続いた夏も28度に設定したエアコン1台で快適に過ごせて、高性能住宅の実力をあらためて実感したといいます。
（大阪府吹田市・Tさん宅 ／ 設計・施工：（有）ダイシンビルド）
Case02. 知識を注いだ家族の居場所づくり
工務店社長の谷中さん。自邸も性能面では高断熱・高気密に挑みながら、家族の居場所をつくりました。ソファに座ったらウッドデッキ越しに見える緑、天井の高低差で分けられるリビングとダイニング、吹き抜けの窓と南側にあるウッドデッキの天窓による採光など、「今まで勉強してきたことを全部実践してみました」と話します。家族からのフィードバックがこれからの教科書になりそうです。
（和歌山県田辺市・谷中さん宅（自邸）／ 設計・施工：谷中幹工務店）
元々新住協の家づくりやQ1.0住宅に興味があった方々はもちろんですが、漠然と「夏涼しくて冬暖かい家がほしい」「光熱費の負担を減らしたい」「省エネな暮らしを実現したい」という希望を持っている方々にとって、新住協会員の家は必ずベストな答えを見つけてくれるはずです。あなたの快適なQ1.0住宅、建ててみませんか？
新住協関西支部会員たちの家づくりについて、もっと知りたい方はこちらから！
◎新住協関西支部
http://www.shinjukyo-kansai.com/
◎Q1HOUSE
https://chumonjutaku-q1.com/
新住協関西支部に所属する「本当にいい家」「快適に暮らせる家」づくりにこだわった工務店や設計事務所を掲載しています。
