「NPO住宅110番」は、住宅雑誌Replanが長年にわたって育ててきたインターネット上の家づくりのための「世論の場」です。住まいの悩みに、住宅建築の最前線にいる専門家のみなさんが回答しています。この記事では同WEBサイトに寄せられた皆さんからの投稿・アドバイスを抜粋(一部修正)しReplan誌面に掲載したものをさらに厳選してお届けします。
Q ジャンカ
質問者/長野県・minipapa
記事No.7506/カテゴリ:工事ミス・トラブル
できあがった基礎を確認したところ、内側に多数のジャンカができていました。
ジャンカは基礎の南側の立ち上がりに集中していて、平均長さ25㎝、深さ2㎝位のものが、断続的に10箇所程あります。南側以外の立ち上がりや、柱などの上部にあるものを含めると全部で25箇所程になります。中の金属は見えておらず、手で触っても剥がれ落ちる感じはありません。
写真1.2.3はわが家のジャンカで一番典型的なものです。2は1の拡大になります。写真4は一番酷い箇所です。写真6は、基礎の上部にできたジャンカです。
これまでの事例を拝見したところ、恐らくわが家の場合は補修で済むのではないか…という気はしているのですが、場所によっては深さが3㎝あったり、全部で25箇所にもなる点が特に気になっています。
専門家の方々のご意見をいただければ、大変助かります。どうぞよろしくお願いします。
A-1:回答者/一級建築士事務所(株)北工房 代表取締役 栃木 渡
ご賢察のとおり、施工者に、補修してもらってください。
質問者より
早速のご回答ありがとうございます。ジャンカの箇所の多さや、3㎝といった深さに関しては特に問題はないものでしょうか?出来てしまうものなのかもしれませんが、見る度に凹みます。
A-2:回答者/瀬尾建設工業(株) 竹沢 正弘
私も栃木さんの回答を支持します。補修を要求してください。というよりも、実は補修で十分と考えております。
お気持ちを理解しない訳では無く、現状は「素肌」・・・・モルタル補修は「お化粧」と、お考えください。素肌は、あばたもえくぼも、カラスの足跡もしわも、何でもあります。そのための「お化粧」ではないでしょうか?もちろん、ぴちぴち、すべすべの素肌が理想ですが、必ずしもそうではないですよね?
質問者より
ご回答ありがとうございます。「補修で十分」とのお言葉をいただき、安心しました。また、施工業者は今日からモルタル補修を開始したそうです。
今回のことがあってから、近所のお宅や新築中の基礎を見て回っていますが、確かに綺麗にお化粧している基礎もあれば、けっこうなジャンカとアバタがあってもそのままという家もあり、いろいろなのだなぁ、と思ったりしています。気持ち的に少し楽になりました。
A-3:回答者/一級建築士事務所(株)北工房 代表取締役 栃木 渡
残念ながら、施工の段階で、往々にして有り得ることです。無論、その部分を壊してから補修という手もありますが、そのダメージと、単に補修した場合のダメージでは壊すダメージの方がはるかに大きいです。構造計算上、コンクリートの強度はさほど問題ではなく、鉄筋がキチンと施工されていることのほうがはるかに重要と、私は思っています。
>見る度に凹みます
多分、これが本音と思いますが…。いわゆる「ビル」と称する建物でも、この程度は「当たり前に」発生しています。
質問者より
再度のご回答、ありがとうございます。
>多分、これが本音と思いますが…。
そうなんですよね。いろいろと調べてみて、恐らく大丈夫なのだろうと頭でわかっても、なかなか気持ちが割り切れないというか。せっかく1番多く予算をかけた所だったのにとか。
それでも、「壊すダメージの方がはるかに大きい」とのコメントもいただき、少しずつですが気持ちの整理がされていると思います。
また、施工業者から連絡があり、ジャンカの補修を今日から開始したそうです。外周も一部掘り返して再確認し、瑕疵保険とは別途基礎の保証をしてくれることにもなりました。とても誠意をもって対応してくれていると感じますし、ジャンカはショックではありますが、やはりこの会社にお願いして良かったと再認識もしました。
完成まであと3ヵ月ほどかかりますので、また何かありましたら、どうぞよろしくお願いいたします。
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