家づくりでは、限られたスペースをなるべく無駄なく使いたいもの。なかでも、階段下はデッドスペースになりがちですが、使い方によってはとても優秀な収納スペースになります。そこで今回は、家のプランに合わせて上手に組み込まれた階段下収納の実例をいくつかご紹介しましょう。

扉付きの階段下収納

Replanで取材していて一番よく目にするのは、扉付きの階段下収納。扉があるので掃除用具や生活雑貨のストックなど雑多になりやすいものの置き場所として重宝します。階段下収納をどう使うかは、家の間取りや階段の位置によって変わりますが、このお宅の場合はダイニングの一角に階段下収納、というパターン。

高さ違いで2ヵ所に扉付きの収納+大きなニッチのようなオープンな収納棚を設けています。これなら、普段そんなに使わないものは扉付きの収納に、使用頻度が高いものはオープンな棚にと置き場所を使い分けられて、便利です。

扉付き収納2ヵ所+オープンな収納棚を設けて、階段下のデッドスペースを有効利用
扉付き収納2ヵ所+オープンな収納棚を設けて、階段下のデッドスペースを有効利用

キッチンの近くに階段下収納が来る場合は、パントリーや背面収納といったキッチン収納の一部として使うことができます。キッチンまわりはできるだけ収納スペースを広く確保したいので、階段下が使えると便利ですね!

アイランドキッチンの並びに、階段下を利用したパントリーを設置。扉はLDK全体のインテリアのテイストに合わせてデザインされている
アイランドキッチンの並びに、階段下を利用したパントリーを設置。扉はLDK全体のインテリアのテイストに合わせてデザインされている

階段下の空間をたっぷり使ったキッチンの背面収納。階段の傾斜に合わせて棚を造り付けた

階段脇に小上がり和室がある間取りでは、階段下を和室の収納スペースとして使うことができます。小上がり和室は収納スペースの確保が難しい場合もありますが、来客用の寝具や座布団、お子さんのおもちゃなど、収納場所があると何かと便利です。

階段下の高さを利用して扉付きの収納を設置。壁をアールにくり抜いた小空間は「子どもたちの隠れ家」

階段の横幅をめいっぱい使ってつくられた小上がり和室の収納スペース。引き違い戸で、使いやすさにも配慮

オープンな「見せる」階段下収納

階段下の使い方としては、扉を付けずにオープンな「見せる」収納にする方法も。階段の段差にならうように規則正しく設計された造作棚は、本や雑誌をぎっしり収納するも良し、余白を生かしてお気に入りの小物を飾るも良し…。LDKの一角にあればなおさら目にも入ってくるので、インテリアの一部として楽しめますね。

階段下の造作棚には、猫と骨董のコレクションをディスプレイ。最上段にはエアコンを設置し、ルーバー扉で目隠しを施した
階段下の造作棚には、猫と骨董のコレクションをディスプレイ。最上段にはエアコンを設置し、ルーバー扉で目隠しを施した

あえてざっくりと、ニッチのように空間を確保するという方法もあります。こうすれば、リビングのスペースが限られていても、お気に入りの家具を置く場所をつくることができます。

階段下のスペースにお気に入りの家具を置いて、空間をトータルコーディネート
階段下のスペースにお気に入りの家具を置いて、空間をトータルコーディネート

階段下を、双方向からアクセスできる収納棚として使えるようにしたこんな事例も。このお宅では、玄関とリビング・ダイニングの間に2階への直階段がのびるレイアウト。そのため階段下を、家族の靴箱や収納スペースのほか、お子さんたちの遊び場や椅子としても使えるようにしました。また適度に視線が遮られるので、外部からの目隠しとしても一役買っているといいます。

階段下 を収納スペースとして、余すところなく活用。7人の大家族でも、靴や本などをすっきりとしまうことができる
階段下を収納スペースとして余すところなく活用。7人の大家族でも、靴や本などをすっきりとしまうことができる

玄関側から見ると、このような感じ。靴箱と階段を兼ねるという斬新なアイデアが光る
玄関側から見ると、このような感じ。靴箱と階段を兼ねるという斬新なアイデアが光る

ちなみに階段の最下段の蹴込み部分を使って、お掃除ロボットの家(?)をつくるというこんなアイデア収納も…!蹴込みの高さが掃除機にぴったり。充電もできるようになっています。

仕事を終えたお掃除ロボットの居場所。ここで充電もできる
仕事を終えたお掃除ロボットの居場所。ここで充電もできる

このように、階段のデザインと家の間取りによっては、階段下のスペースを収納としてさまざまなかたちで活かすことが可能です。造作が必要で、その分コストもかかるので「必ずしも収納に!」ということではないですが、その家での暮らしをイメージして、「ここに収納があれば便利かも」と思ったならぜひ、設計や建築会社の担当者に相談してみてくださいね。

(文/Replan編集部)

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