LDKは家族がみんなで、一番長く過ごす場所。だからこそ、プランニングでも「どんなかたちがいいのかなあ…」と悩みは深いことでしょう。親子で使えるワークスペースを併設する、観葉植物を置いたりキャンプ道具を干したりできる土間をつくる…LDKを有効に使うアイデアはいろいろ考えられますが、根強い人気を誇るのが「小上がりの和室」。
一時期畳を敬遠するムードもありましたが、最近は新素材が開発されていたり、デザインの幅も広くなったり、何より多目的に使える便利さが見直されて、畳のスペースを取り入れるお住まいも少なくありません。そこで今回は特に「小上がりの和室」を設けた事例をいくつか見ていきましょう。
幼いお子さんの見守りに最適な小上がり和室
取材先でときどき耳にするのは「畳だと床がやわらかいので遊ばせやすいし、小上がりにしておくと家事をしながら、子どものお昼寝や遊ぶ様子が見えやすいから」というお施主さんの声。キッチンやリビング・ダイニングから見通しのいい場所にレイアウトすれば、いつでも視界の隅に見えていて安心です。少し高めの小上がりにすると、椅子のようにも使えて、家族や友人がたくさん集まったときに重宝しそう。
小上がり和室の下を、収納に
小上がり和室の下は、収納スペースとしても大活躍!収納力に優れるので、お客様用の寝具やこたつ布団など、普段それほど頻繁には使わないけれど、収納しておくにはかさばる…というものをまるっと収納しておくことができます。デッドスペースを有効に使えるアイデアです。
「フローリング」と「畳」のハイブリッドにする利点
小上がり和室の中には、一部をフローリングにするパターンもあります。リビングに併設して小上がり和室をプランニングしたこちらのお住まいでは、畳は2畳分だけ。畳のまわりをフローリングにしたので、畳の凹みを気にすることなくタンスを置けるのがポイントです。
明るいナチュラルテイストなこのお住まいでも、小上がり和室を採用。フローリング部分に置かれているのは…ピアノ!このように家具などの重いものを置きたい場合は、小上がり和室を「フローリング」と「畳」のハイブリッドにするのがおすすめです。
これが和室?!色やかたちで遊んで、個性を演出
最初にも少し触れたように、最近は畳を取り巻く状況も変わってきていて、いわゆる「和室」のイメージとは異なる空間をつくることもできます。「カッコイイ空間にしたい」とデザイン重視の家づくりを希望していたこちらのお住まいでは、小上がり和室にダークグレー色の畳を採用。デザインされた床の間やレッドシダーで仕上げた天井などで構成された空間はもはや「和室」とも言い難いモダンさです。
北欧デザインが好きな奥さんのテイストに合わせて提案されたのは、壁がアールの小上がり和室!3連の縦長窓がついた半円形の小上がり和室は、子どもたちの遊び場や客間として使われているそう。襖紙も北欧らしいデザインで、和のデザインと北欧のデザインが近しいものであることを感じさせます。
家の中に、気軽にごろごろ寝転がれる場所があるというのは、思いのほか快適で、使い勝手がよかったりします。暮らし方にマッチすればいろんな使い方ができる小上がり和室。ですが、造作の手間が増えたりして建築コストがアップすることは考えられるので、興味がある方はぜひプランニングの際に、設計士さんや建築会社さんに相談してみてくださいね。
(文/Replan編集部)