家づくりでもインテリアでも、どんな照明にすればいいのかは意外と迷うところ。カラーやデザインが気に入っても「部屋の広さに対して、この大きさでサイズ感は大丈夫?」「家具とのバランスはどうだろう?」などと迷ったり、付けてみたら思いのほか部屋が暗かったり、明るすぎたり…
照明には種類があって、それぞれにちゃんとした役割があります。目的や空間に対して適材適所の照明を選ぶことで、その効果は最大限に発揮されます。そこで今回は、リビング・ダイニングでの使い方の実例と一緒に、主な照明の種類をご紹介しましょう。
【ペンダントライト】
天井から吊り下げるタイプの照明器具です。下げる位置や器具の大きさによって、部屋全体を照らしたり、テーブル上だけを照らしたりできるのが特長。ダイニングテーブルの上にインテリア性の高いペンダントライトを一灯吊るすだけで、空間がぐっと素敵になります。また、小ぶりなサイズのペンダントライトをいくつか組み合わせて使うのもおすすめ。明るさが確保でき、空間にリズムが生まれます。デザイン違いの照明を組み合わせて、遊びゴコロを表現してみるのもいいかもしれませんね。
【シャンデリア】
ペンダントライトと同じく天井から吊るすタイプですが、電球がたくさんついている多灯型なのが特長。古くはヨーロッパの宮殿で使われるなど、空間をゴージャスに演出したいときにはうってつけの照明です。吹き抜けのあるリビングなど、天井の高さを生かして使うとより空間が映えるでしょう。
最近はLEDランプ仕様のシンプルなデザインの商品や、玄関ホールや子ども室にぴったりな可愛くてコンパクトな商品など多様化しています。ものによっては重さがあって天井に補強が必要な場合もあるので、使いたい方は、あらかじめ建築会社に相談しましょう。
【シーリングライト】
シーリングライトは「ceiling」=「天井」に付ける照明のこと。空間をすっきりと見せ、部屋全体を均一な明るさで照らすのに適しています。以前は環型の蛍光ランプが主流でしたが、近年ではLEDを光源にした省エネ型の照明器具が一般的。落ち着いたリビングも演出したい!という場合は、スタンドライトやペンダントライトを併用して明暗のリズムを付けるといいでしょう。
【ダウンライト】
天井にあらかじめ埋め込むタイプの照明です。天井と一体化しているため、空間をすっきりと見せられるのが特長。部屋をどのくらい明るくしたいかなど、要望に合わせて必要な照明の数と配置場所をプランニングすることで、その家にぴったりの照明空間が実現できます。
明るさを調整できる調光機能付きのものを使えば、気分やシチュエーションによって、リビングやダイニングの明るさを変えることもできます。後付けは難しいので、新築やリノベーション時に検討しましょう。
【スポットライト】
器具の角度が動かせ、光の当たる方向を変えられるタイプの照明です。天井や壁に直付けするもののほか、ダクトレール(電源の電極を付けたレール)に設置する多灯型もあり、用途や空間の規模に応じて使い分けることができます。
文字通り「スポット」を照らすので、リビングやダイニングでは多灯使いして必要な明るさを確保するケースが多く見られます。基本的には取り付け工事が必要な照明器具ですが、シーリングライトの電源ソケットに付けられる、簡易取り付け式のダクトレールもあるので後付けが可能です。
【スタンドライト】
スタンドが付いた自立型の照明器具です。テーブル上で使用するタイプと床置きタイプがあり、アームの高さやシェードの形や素材などによってデザインのバリエーションが楽しめるのも特長です。
床置きタイプで大型のものは、リビング・ダイニングのメイン照明としても使えますが、多くの場合は補助照明として使うのが効果的。例えばペンダントライトで全体を照らし、スタンドライトにソファまわりだけを照らす役割を持たせるなどすると、空間にメリハリが生まれます。また移動が簡単なので、壁を照らして間接照明のように使えるのもメリットのひとつです。
主な照明器具の種類と特長をご紹介しましたが、照明にはインテリア性や部屋を明るく照らすこと以外にも、食事を美味しく見せたり、気分をリラックスさせたりといった、暮らしを豊かにする役割があります。リビング・ダイニングの照明計画では、自分たちが思い描く暮らしを具体的に想像しながら進めると、より満足度の高い住まいづくりにつながるでしょう。
リプランが取材した住宅でも、素敵な照明がたくさん使われています。照明のことをもっと知りたい方は、下記も併せてチェックしてみてください!
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(文/Replan編集部)