前回の「家族の数だけ、かたちがある。平屋の間取り vol.1」で紹介した平屋暮らしの皆さんは、「平屋でこんなふうに暮らしたい」という想いや願いがはっきりしており、そのうえで、その暮らしを叶えるためのプランを敷地や周辺環境に合わせて実現していました。今回もその続き。異なる条件下で建てられ、また先の4事例とは違ったさまざまな工夫とアイデアが詰まった平屋の間取りをご紹介します。
※掲載方法の都合上、図面の縮尺は一定ではありませんので、ご了承ください。
床高や天井高、建物の形状も。
その不規則さには理由がある
■延床面積/164.26㎡(約49坪)(車庫含む)
■家族構成/夫婦30代、子ども1人、犬1匹
畑仕事、バーベキュー、犬と遊べる庭…。なだらかな傾斜のある敷地をそのまま生かしたスキップフロアで、3つの小さな平屋を繋げたようなかたちのこの家は、自然豊かな環境で、屋外でたくさんの時間を過ごしたいご家族のためにつくられました。窓から見える景色の切り取り方や、内と外の空間のつながり方など、住まい手が望む暮らしへの配慮が随所に見られます。
建物を雁行させたことでできた窪みが小庭となり、プライベート感や窓からの多様な景色を生んでいる
各部屋の床と天井の高さを違えたことで、空間に心地よい立体感と奥行きが感じられる
■設計/アーキラボ・ティアンドエム
■施工/(株)剛建築工房
<Replan北海道 vol.118>
居室が動く!?大空間に
大きな窓の自由な間取り
■延床面積/114.25㎡(約35坪)
■家族構成/夫婦30代、子ども1人
ものづくりが好きなお施主さんが、創意工夫しながら暮らせるよう「スケルトン(構造体)と「インフィル(内装・設備)」に分けて設計された、間取りが変えられる家。部屋は可動式の家具で間仕切りされているので、家族のライフスタイルの変化に合わせて自分たちの手で変えていくことができます。「居室を動かし、居場所をつくる」という大胆な発想で、家族の楽しい暮らしを生み出す間取りです。
個室+寝室ゾーンは、大きな家のかたちをした可動式家具が個室代わり。必要に応じて配置を変更できる
リビング・ダイニングは、目の前に広がる田園風景を一望できる位置に。窓を開けると、開放感抜群
■設計・施工/(株)Life style工房
<Replan東北 vol.53>
程よい距離感の二世帯。
鍵は、外廊下とウッドデッキ
■延床面積/178.86㎡(約54坪)
■家族構成/夫婦60代、夫婦30代、子ども1人
生活のリズムの異なる家族同士が、プライバシーを保ちつつ健やかに暮らせるよう設計された二世帯住宅です。LDKと浴室は共有し、プライベート空間だけを外廊下を介して分けていて、気候が良い日には、ウッドデッキからも行き来ができます。つかず離れずの程よい距離感が、二世帯の絆を深めるとともに、それぞれの家族ののびのびとした暮らしにつながっています。
point.1
LDKと浴室は共有。プライベート空間だけを分けて、限られたスペースを有効利用
point.2
外廊下とウッドデッキが中間領域となり、2つの家族に程よい距離感をもたらす
■設計・施工/ユネストホーム(株)
<Replan青森 vol.4>
土地の形状を生かした、外とのつながりを大事にした平屋、可変性と自分の手でつくる楽しさを持つ平屋、二世帯で心地よく暮らせる平屋…今回ご紹介した3件もすべて、それぞれの住まい手が大事にしたいことが違う、個性あふれるお住まいでしたね。
巻頭特集が「平屋の間取り」のReplan北海道 vol.122が9/28に発売となりました。ぜひ書店やコンビニ、リプランのWebサイトでご覧ください!
(文/Replan編集部)
こちらも併せてご覧ください ↓
・家族の数だけ、かたちがある。平屋の間取り vol.1
・家族の数だけ、かたちがある。平屋の間取り vol.3
・平屋ならでは!スキップフロアのアイデア集