「NPO住宅110番」は、住宅雑誌Replanが長年にわたって育ててきたインターネット上の家づくりのための「世論の場」です。住まいの悩みに、住宅建築の最前線にいる専門家のみなさんが回答しています。この記事では同WEBサイトに寄せられた皆さんからの投稿・アドバイスを抜粋(一部修正)しReplan誌面に掲載したものをさらに厳選してお届けします。
Q 急こう配屋根の落雪
質問者/千葉県・kog_kao
記事No.6190/カテゴリ:その他
急こう配屋根からの落雪を止める方法についてお尋ねします。ガルバニウム鋼板屋根です。屋根のこう配は、設計図上、底辺3300、立ち上がり5000(工務店は、12寸5分と言っていますが、数値から考えると14寸か?)、屋根の幅5000、棟から軒先まで6000です。
隣家敷地までは、当方壁から75センチ、軒先からは45センチ程しかなく、隣家に落雪してしまいます。一般的な雪止めを屋根の下のほうに1列(ギザギザに取り付けているので、2列と言うべきか)、中央部に一列(足場を組まなかった関係で、手が届かなかったのか、この部分は、屋根の幅の半分だけ設置)取り付けましたが効果なく、今年も7センチの降雪で一気に落雪しました。
近隣の屋根業者から、アングル雪止めを数段取り付け、軒先に雪止めネットを取り付けることを提案されましたが、「こんな急こう配屋根の経験がないため、効果は?」とも言われております。いかがでしょうか?
また、アングル雪止めではなく、コイル状というかスプリング状のリングを数段取り付ける商品も検討していますがいかがなものでしょうか?
その他、何かご提案がありましたら、よろしくお願いします。
A:回答者/屋根サポート 飯田 均
この屋根に湿った雪が10㎝積もった雪の重量は≒1000〜1500㎏と想定できますので、アングルの雪止め取り付けには、現在ついている雪止め金具の荷重強度の確認が必要です。
軒先の方に2〜3段のアングルを取り付けても、屋根に積もった雪を全部止めることは難しいかと思います。上から流れてきた雪がアングルに溜まった雪を乗り越えて、落ちる可能性があります(どの程度の飛距離になるかは判断できません)。
当欄に雪止めが外れた事故での相談がありましたので、地元の業者さんとよく相談してください(参考:http://npo.house110.com/bbs/sodan.php?kid=6182)。
また、雪止めのフェンスの設置は、北海道でも隣地との距離な少ないところでは効果を発揮しています。上部で壁からの支えを取れるとすれば十分耐えられるのでは、と思います。フェンスにはネットではなく、トタン・アルミ板等で、雪が付着しにくく滑りやすいものを取り付け、落雪を軒下に誘導するように設置する方法もあります。
北海道では、維持メンテナンスを考え、屋根形状を変える・軒先に融雪装置を付ける等の方法を取ることも多々あります。将来的な事も考えて、ご検討してみてください。
一点補足することがあります。雨だれもそうですが、べたべたした雪が落ちた時の跳ね返りで、隣の壁が汚れ問題になったことがあります。その点にもご留意ください。
質問者より
飯田様、さっそくのご回答ありがとうございます。雪止めフェンスを設置する方向で、考えることにいたします。ありがとうございました。
▶ほかにもこんな質問があります。興味のある方はこちらもどうぞ。
・雪止め対策
・屋根の材料・材質について
・屋根材について 等
▶▶上記以外のその他の相談については、こちらをご覧ください。
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