先日の記事「自由なデザインで料理をもっと楽しく! キッチンの造作アイデア6事例」では、個性あふれる造作キッチンについて紹介しましたが、今回注目するのは造作の「洗面台」。オーダーメードだからできるさまざまな工夫やアイデアを、リプランに掲載した新築・リノベの住宅実例からご紹介します。


アイデア1
4つの造作収納家具を適所に配置

木の家の雰囲気と調和する洗面スペース。造作した洗面台はシンプルに脚だけをつけて、その周囲に用途に合わせてデザインした収納棚を4つ取り付けました。シンプルながらも使い勝手の良さに配慮されています。

腰壁は張り出させてタイル張りに。水はねを気にせずに使えるうえ、コップや小物を置けるなど機能性にも富んでいます。

洗面台と鏡のサイズ、使い方に合わせて設置した4種類収納など、造作だからこその完成度

アイデア2
収納棚の寸法を収納ボックスに合わせて設計!

ウォークインクローゼットと一体化させた、ゆとりの広さのユーティリティ。洗面台の天板(人工大理石)と床に敷いたPタイルのデザインを揃えて統一感を出しています。

洗面台下の収納は使いやすさを優先してあえて扉はつけず、既製品の収納ボックスがきれいに収まる奥行きに設計されています。横幅も広く収納量が豊富なので、スッキリとした洗面スペースが保てます。

洗面台の天板(人工大理石)とPタイルのデザインを揃えて統一感を演出。ユーティリティは壁をあえて設けないことで家事効率を良くし、空間をフレキシブルに使えるよう設計している

アイデア3
タイルの魅力を全面に生かした造作洗面台

造作洗面台をデザインする際に人気の素材、それは「タイル」です。タイルのサイズや形、色や艶感、仕上げる面積によって、洗面台まわりの雰囲気はガラッと変わります。

ガラスのモザイクタイルを全面に張って仕上げれば、ホテルライクでゴージャスな印象に。深いブルーのコラベルタイルだと、上質かつエキゾチックな雰囲気に仕上がります。風合い豊かなタイルを壁の一部に貼るだけでも、存在感が出せますね。

ガラスのモザイクタイルで仕上げたツインボウルの洗面台
ガラスのモザイクタイルで仕上げたツインボウルの洗面台
隣に配した洗面脱衣室は、同系色のコラベルタイルでコーディネート
深いブルーのコラベルタイル。白い目地も模様として美しい
モールテックス仕上げの天板と調和する、個性的な風合いの壁のタイル
モールテックス仕上げの天板と調和する、個性的な風合いの壁のタイル

アイデア4
身支度に便利なカウンターを一体的に造作

タモ材やタイルを用いたゆとりの広さの造作洗面スペースです。洗面台とカウンターをL字型に配置し、最小限の動きで化粧や身支度が終わるよう設計されています。

引き出しや棚も豊富につくり付けられているのも、この洗面スペースの大きなポイント。物の居場所が定まりやすく、外から生活用品が見えにくいので、常にすっきりとした状態を保ちやすいでしょう。

隠す収納を徹底することで清潔感のある空間に

アイデア5
ホテルライクなデザインに、機能性をプラス

「ホテルライクな機能・雰囲気の洗面台にしたい」とお考えの方の参考になりそうなこちらの造作洗面台。天板は大理石調で、ステンレスの蓋付きのゴミ箱が組み込まれています。

広くてホテルのようなデザインですが、収納スペースが豊富で機能性にも配慮されています。カウンター下はすべて扉付きの収納スペース。浴室との間の壁厚を利用して扉付きの収納が組み込まれています。使用頻度の高いタオルはパネルヒーター横のオープンな可動棚に収納。デザインと使い勝手の良さを兼ね備えた造作洗面台です。

アイデア6
限られた広さの中で、使い勝手を追求

リノベーションによりLDKにより広い面積を割いたため、この住宅では、ユーティリティが比較的コンパクトなサイズになってしまいました。

そこでワイドミラーや採光窓などを用いて、面積以上の広がりが感じられるよう設計。限られたスペースを有効利用するため、洗面台と収納棚をL字型に配して造作し、必要な幅や出ししれしやすさ、動きなどに配慮した使いやすい洗面スペースを実現しています。

以前は少し暗めだったが、採光窓を新設して明るさを確保した

アイデア7
構造を活用したコンクリート造の洗面台

洗面スペースと浴室がオープンにつながり、開放的な空間を生み出しているこの住まい。洗面台はコンクリート造で基礎と一体的に施工されていて、通路に面した部分は階段の裾壁の役割も担います。これも一種の造作洗面台でしょう。

洗面台前面の壁も天板もコンクリートなので水はねや汚れがあまり気になりません。床もタイル張りで、スタイリッシュかつ清掃性に優れた洗面スペースです。

オープンな水まわり。仕切り壁やバスタブなど、施主が少しでもいらないと判断したものは省かれている

洗面スペースは、見た目とともに、水はねに配慮した配置や素材選び、清掃性の良さが重要です。また日常使いのアイテムは取り出しやすく、洗剤のストックや掃除道具などは見えないようにするなど、収納の工夫も必要です。

洗面スペースの使い方は、ご家庭によってさまざま。かゆいところに手が届く「造作」を上手に取り入れながら、使いやすくて清潔感のある、お気に入りの洗面スペースを完成させてくださいね。

(文/Replan編集部)