フィンランドは、7月が夏休みのシーズン。そこで7月中旬に、念願のアーキペラーゴ3泊4日の旅に出かけました。「アーキペラーゴ」とは英語で「群島」の意味。小さな島がいくつも集まっている場所を指します。フィンランドはアーキペラーゴが各地にあります。私の住む首都ヘルシンキの近くにもあるのですが、今回はトゥルク(Turku)方面のアーキペラーゴへ出かけました。

まずは簡単に位置関係をご説明しましょう。下の地図の赤丸で囲んだところが今回のアーキペラーゴ。フィンランドとスウェーデンの間にあります。

出典:https://www.visitfinland.com/

そして下がアーキペラーゴの全体地図。各島の名前は上がフィンランド語、下がスウェーデン語表記です。

出典:https://visitparainen.fi/en/

フィンランドの公用語は、フィンランド語とスウェーデン語です。このアーキペラーゴトレイルは、自転車でぐるっと一周するのが人気。上の地図の①→⑨と時計回り、または⑨→①と反時計回りにトレイルを楽しむことができます。

当初は自転車で一周する旅を計画していたのですが、フィンランドらしくないあまりの暑さに諦め、急遽バスで行けるルートに変更しました。調べてみると④→⑥の区間が交通の便が少なく移動しにくいことが判明。そこで一周するのは止めて、トゥルクを中心に往復するルートに。

【今回のアーキペラーゴの旅程】
1日目 ⑨→⑦ ヘルシンキHelsinki~トゥルクTurku~クスタヴィKustavi泊 
2日目 ⑦→⑨ クスタヴィKustavi~トゥルクTurku泊 
3日目 ①→③ トゥルクTurku~コルポKorpo泊 
4日目 ③→① コルポKorpo~トゥルクTurku~ヘルシンキHelsinki 

島と島は橋でつながっているところもありますが、橋がない場所もあって、その場合は車やバス、自転車が一緒に乗れるフェリーで海を渡ります。フェリーには座席はありません。それがなんだかワクワクしてバスから外に出たら、風がとても気持ちいい!ちなみに今回乗ったルートの乗船時間は15分ほどでした。

座席のないフェリー。車内にいる人たちもいれば、車の外で移動時間を楽しむ人たちの姿も

クスタヴィに着いて私がまず初めに向かったのが、「クスタヴィ ハンディクラフト ビレッジ Kustavi Handicraft Village」です。ここは陶器や鋳物など、手づくりのクラフト作品を売るお店が集まっています。私のお目当てはガラス工房。ここでは手づくりのグラスが工房の前で売られています。ハンドメイドのグラスはひとつひとつ形も違い、同じ色でも微妙に模様が違うのです。お店の人に相談しながら楽しい買い物のひととき。お気に入りをゆっくりと探すことができました。

青空の下に色とりどりのガラス作品が並ぶ

見つけたお気に入りのグラスはこちら。親指がちょうどおさまるくぼみがあります。飲み口もやわらかくていい感じです。熱湯は入れられないけれど、食器洗い機はオッケー。またキャンドルホルダーにも使えるとのこと。今から冬が楽しみです。フィンランドの夏は、夜になっても暗くならないので…!

お店の人とお話しながら選んだお気に入りの品。かたちも色もカワイイ

1日目の宿は、クスタヴィにある「ペテルツェンス ボートハウス(Peterzens Boathouse)」。ヨットハーバーが目の前に広がる、茅葺きのような屋根が可愛らしい小屋です。私たちを含め、このボートハウスに宿泊しているのは、車やバス、自転車で旅をしている人たちです。

日本ではあまりなじみがありませんが、フィンランドでは、自家用ヨットでアーキペラーゴを楽しむ人たちがいるのです!自家用ヨットは一般に4人くらいが泊まれるつくりで、キッチンやトイレを完備。島に来てサウナやレストランを利用し、小さなスーパーで食料を調達し、夜はヨットで就寝。翌日はまた違う島などへ出かけていく、という旅ができます。もちろん、島に数日滞在して観光することもできます。

フィンランドでは夏休みに1~3週間など、長期でセーリングの旅に出かける人たちがいます。ヨットは風があれば帆を使って走り、風のないときはエンジンで走ることもできます。バスの予約もいらず自由に旅できる、まさに動くサマーコテージ…!うらやましい!

ヨットハーバーには、自家用ヨットも停泊している

高級なイメージのヨットですが、どうやら中古だと日本ほど高価でないようです。ここで出会ったヨットのオーナーの方が、「ヨットはサマーコテージを持つよりは安いよ」と教えてくれました。フィンランドはサマーコテージを持っている人がとても多いのですが、私はこっちがいいな。子どもの自転車が乗っていたり、タオルが干してあったりと、セーリング旅の生活感が垣間見えるのもまたいいのです。

「アーキペラーゴ 〜群島を巡る旅【後編】」へつづく