全国的に暑くて、夜も寝苦しい日が続いていますね。「暑くて寝た気がしなくて、疲れが取れない…」と感じている方も多いのではないでしょうか。日々を健やかに過ごすために、「睡眠」はとても重要です。家づくりでは、どうしてもLDKのつくりや水まわりなどに意識が向きがちですが、「寝室をどう計画するか」という点も心地よい暮らしのために重視したいところ。そこで今回は、睡眠の質と快適さを高める「寝室」の空間づくりのポイントを見ていきましょう。
① 換気、採光、眺望と多方面に関わる「窓」
「窓」は住まいの快適性に欠かせない要素。寝室も例外ではありません。窓を開ければ、こもりがちな湿気や臭いを解消するのに役立ちます。窓越しに感じる朝の光は身体を自然に目覚めさせてくれますし、景色が良いロケーションに建つ家であれば、窓の外に見える緑や風景が気持ちいい1日のスタートを後押ししてくれることでしょう。
住宅街にあって防犯の面が気になる場合は、部屋の高い位置に窓を設けることで、その不安を軽減できます。効果的に配した窓は、寝室の快適性を高めてくれます。家のロケーションや部屋の広さやかたちなどに合わせて検討したいですね。
② インテリア性や機能性を考えたい「内装仕上げ」
アクセントウォールで、インテリア性UP
人の心理は、見た目の印象から大きな影響を受けます。そのため寝室は、リラックスして床に就けるようなインテリア空間にすることも大切です。近年増えているのが、アクセントウォールを取り入れた例。壁の1つの面を他の壁と異なるクロスや塗装で仕上げて変化をつけることで、寝室に特別感が生まれます。布団カバーなどのベッドリネンとコーディネートすれば、楽しみの幅も広がります。
素材にこだわって、快適性UP
素材の機能にこだわった仕上げ材を選ぶと、寝室の快適性はさらに向上します。例えば無垢材の板張りや漆喰、珪藻土などの塗り壁は、自然素材ならではの優しい風合いがリラックス効果を高めてくれるとともに、調湿作用で室内の空気を快適にしてくれる側面も。意匠性と調湿・消臭性能を兼ね備えた「エコカラット」を寝室の壁に張って仕上げる寝室も見られます。内装仕上げは気軽に変えられる部分ではないので、家づくりのタイミングでぜひ考えておきましょう。
③ 就寝前を心地よく過ごすための「照明計画」
寝室では「照明計画」も就寝前のひとときをリラックスして過ごすために重要です。照明の色は、作業や勉強向きの白っぽい色ではなく、落ち着きを感じさせる電球色に。眩しさなど目への直接的な刺激を和らげるためにダウンライトや間接照明を採用し、それに枕元を照らすベッドサイドライトを組み合わせたホテルのような仕様の一般住宅も少しずつ増えています。
内装仕上げと同様に照明計画も、家が完成した後に変えるのが難しい部分。家づくりは、ゆったりとした気持ちですんなりと眠りにつきやすい睡眠環境を整える絶好の機会です。
④ 寝室の近くに「トイレ」を配置
「睡眠の質と快適さを高める」という点で、できるだけ寝室とトイレが近くにあるプランにすることも重要です。トイレと寝室があまり離れていると、トイレに立ったあとで寝付きにくくなって睡眠の質が下がることが考えられますし、夜中に2階の寝室から1階のトイレに降りるとなると転倒事故のリスクも高まります。
また年齢とともに夜中にトイレに立つ頻度が増えたり、高齢になって身体が思うように動かなくなることを考えても、寝室とトイレが近いと将来的にも安心です。家の広さをはじめ、諸条件によって難しいケースもありますが、プランニングでは、寝室とトイレの位置関係にも注目しましょう。
「睡眠時間」は暮らしの一部であり、日常生活の質に大きく関わります。家づくりの予算や家のサイズ、各ご家庭で大切にしたいことの優先順位などはご家庭によりまちまちではありますが、寝室についても今の暮らしの不便や不満、気になっていることを洗い出し、ご家族のライフスタイルに合った寝室の姿を思い描いてみてはいかがでしょうか。
(文/Replan編集部)
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