注文住宅では、暮らし方に合わせて間取りが導き出されますが、それは家のフォルムにも影響を及ぼします。どんな「見た目」の家になるのかも家づくりでは気になるポイント。Replanでは数々の個性的な外観デザインの平屋を取材してきましたが、それは必ずしも奇をてらった結果ではありません。それぞれの姿形に、暮らしへの要望に基づいた納得の理由がありました。
天井高+片流れ屋根で
多目的に使える
小屋裏空間をプラス
3世代の4人家族がのびやかに、末永く暮らしていけることを目指してつくられた白いガルバリウム鋼板外壁仕上げの平屋です。近隣への落雪に配慮して雪が中庭側に落ちるよう設計された片流れ屋根による高い勾配天井が、リビングの開放感を生むとともに、大きな小屋裏空間を創出。ゆとりの広さのロフトは、客間と収納を兼ねた多目的スペースとして使えて、住まいの暮らしやすさにつながっています。
■ 家族構成/夫婦40代、子ども1人、母
■ 延床面積/115.15㎡(約35坪)(ロフト含む)
設計・施工/(株)城岡工作室 <Replan北海道 vol.122>
かわいい木の窓がアクセント。
アウトドア好き夫婦が暮らす
三角屋根の小さな家
ご夫妻が終の棲家として建てたのは、色とデザインのかわいさが目を引く、木の窓がある三角屋根の平屋。掃き出し窓を開け放つとリビングとひとつながりになるL字型のデッキは、BBQをしたり、チェアを出してくつろいだりと、アウトドア好きのご夫妻のライフスタイルにぴったり。寄棟屋根の形状をそのまま活かした室内は、シンプルながらも変化に富んでいて、心地よさと視覚的な楽しさが同居しています。
■ 家族構成/夫婦50代
■ 延床面積/87.69㎡(約26坪)
設計/さくま建築設計事務所 <Replan青森 vol.4>
内に閉じつつ外に開く。
4層スキップフロアの
四角い平屋
建築地の周りは畑や林など緑が多く、東側の崖越しに眺望が広がる高台の住宅地。そこでプライバシーを確保しつつ、家の外に広がる豊かな環境を楽しめるよう考えて設計されたのが、横長窓を四方にまわした四角いハコの上に、フタを載せたようなこのフォルムです。一見すると2階建てのようでも、これは平屋。4層のスキップフロアが空間をつないでいて、LDKからは安心感の中で開放的な景色と光を満喫できます。
■ 家族構成/夫婦40代、子ども1人
■ 延床面積/91.05㎡(約27坪)
設計/Ginga architects <Replan東北 vol.66>
上から見ると「カメ」のよう!
360°眺望を楽しめる
多角形の平屋
上から見ると「カメ」のような形をした、その名も「カメハウス」。ここは周囲を雑木林や畑に囲まれた立地。「いつでも外の景色を感じていたい」というお施主さんの希望を叶えるため、リビングを囲むように玄関と5つの個室を配置しました。突き出た個室の壁が緩やかに周囲の風景を区切って、プライベート感あふれる小庭が6つあるような気持ちのいい住空間をつくり出しています。
■ 家族構成/夫婦40代
■ 延床面積/74.43㎡(約22坪)
設計/(株)エム・アンド・オー <Replan北海道 vol.122>
平屋に限っただけでも、住まい手の要望や立地条件、土地の広さなどによって、生み出される形はいろいろで、理由もさまざまなことが感じられるのではないでしょうか。「普通」と思う形にとらわれることなく、自由な発想で家づくりを楽しみたいですね。
(文/Replan編集部)
Replan北海道 vol.131
2020年12月29日(火)発売北海道内の主な書店やコンビニのほか、
Replanの販売ページやamazon、fujisan等
オンラインでもご購入いただけます。—
Replan青森 vol.7
2020年12月9日(水)発売
東北6県の主な書店やコンビニのほか、
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