「NPO住宅110番」は、住宅雑誌Replanが長年にわたって育ててきたインターネット上の家づくりのための「世論の場」です。住まいの悩みに、住宅建築の最前線にいる専門家のみなさんが回答しています。この記事では同WEBサイトに寄せられた皆さんからの投稿・アドバイスを抜粋(一部修正)しReplan誌面に掲載したものをさらに厳選してお届けします。
Q ビルトインガレージの断熱材について
質問者/神奈川県・ナッツとボビー
記事No.15173/カテゴリ:構造・建材
昨年末に木造住宅で増築しました。1階はシャッター付きでガレージ3台分、2階は子ども部屋です。増築部分の床がとても冷たく裸足で歩けません。本当に寒くて底冷えします。ガレージの壁と天井には断熱材を入れケイカル板を張っています。今からできる断熱方法を調べたいと思っています。
ガレージ内に断熱塗料を塗る、発泡プラスチック系の断熱材を天井に張る、子ども部屋の窓を二重窓にする。など調べましたが効果はありますでしょうか? 場所は神奈川県です。
A:回答者/一級建築士事務所(株)北工房 代表取締役 栃木 渡
おそらく床断熱と壁断熱の交差部、あるいは床・壁そのものから入ってきているいわゆる「すきま風」でしょう。お写真を拝見する限り、室内側の気密シートが確認できません。いくら高性能の分厚いダウンジャケットを着ても、前のチャックを開けて裸で風の中に立っている状態。あるいは、素肌にフカフカのセーターを着ただけで、風の吹く冬に外に立っている状態……なのかな?と思います。空気を通さない処置が必要ですよね。
例えでお判りの通り、断熱材の厚さとか窓の性能より、「気密性」を確保することが大事なのですが、既に工事が終わっているのであれば、少々、処置が難しいかもですね。
前を開けたまま、お金をかけてもう1枚ダウンを着るよりは、一度サーモカメラで隙間風の状態を確認した方がいいかもしれません。サーモをお持ちのインスペクターさんに依頼するか、何なら数万円でスマホに接続できる簡易的なサーモカメラもありますのでご自分でも見える化できますよ。まずは、そのあたりを確認してから対応された方がいいように思いました。
a-1:回答者/jpken
子ども部屋の断熱や気密はどうなっていますか。窓の仕様はどのようなものでしょうか。簡単な図面があると、何か役立つ回答ができるかもしれません。
質問者より
ご回答ありがとうございます。子ども部屋の断熱は一般的で(たぶん?)断熱材に石膏ボード(写真1枚目)です。1階のガレージは写真のようになっています。子ども部屋の窓は防火複層アルミ窓です。よろしくお願いいたします。
a-2:回答者/jpken
写真を拝見しましたが、全体に断熱が弱いようにお見受けしました。しかし、今からこれを改善するのは難しいと思います。床が冷えるということですので、一番手っとり早いのは、断熱材とセットになった床暖房を設置することです。もったいないですが、今の床の上に設置できるでしょう。
熱源は電熱、ヒートポンプ、ガスや灯油バーナーと各種あります。神奈川県ですとヒートポンプが良いかもしれません。窓はアルミサッシということなので、現在の窓の内側に樹脂サッシ、ペアガラスの窓を追加されると、窓の断熱は改善できます。
質問者より
ご丁寧に回答下さり、ありがとうございます!断熱が弱いかもとのこと、残念ですがその様な気がします。悲しいです。樹脂のペアガラスと断熱材とセットになった床暖房検討してみたいと思います!
▶ほかにもこんな質問があります。興味のある方はこちらもどうぞ。
・現場発泡ウレタン吹付断熱材の安全性について
・断熱性について
・インナーガレージに水たまり 等
▶▶その他の構造・建材の相談については、こちらをご覧ください。
NPO住宅110番[構造・建材]カテゴリ最新の記事一覧