「NPO住宅110番」は、住宅雑誌Replanが長年にわたって育ててきたインターネット上の家づくりのための「世論の場」です。住まいの悩みに、住宅建築の最前線にいる専門家のみなさんが回答しています。この記事では同WEBサイトに寄せられた皆さんからの投稿・アドバイスを抜粋(一部修正)しReplan誌面に掲載したものをさらに厳選してお届けします。
Q 鉄筋コンクリート戸建て住宅の基礎?のひび
質問者/東京都・たっくん
記事No.16927/カテゴリ:構造・建材
はじめて相談させていただきます。
今年の2月に築16年の中古戸建て住宅を購入しました。
購入時には気が付かなかったのですが、数日前に庭の草むしりをしている際に外際の基礎?の部分に楯に大きなひびが入っているのを見つけ、不動産会社に連絡したところ、時間も経っているし保証はできないと言われ状況を確認しに来てもくれません。(購入してから9ヶ月半です。)
質問は、
◯契約書に、見えない瑕疵は2年間保証する旨が書かれていますが、保証してもらえるでしょうか?
◯外壁の1つの角の両側の画像を添付しました。
ひびはかなり大きく、少しずれているようにも見えるのですが、住むのに危険ではないですか?(修理はする予定です)
ご意見、参考にさせてください。
A:回答者/一級建築士事務所(株)北工房 代表取締役 栃木 渡
確かにちょっと気持ちの悪いクラックですね。修理とおっしゃるのが、どのような事をお考えか判りませんが、単なる表面的なモルタル補修では不安です。例えば鉄筋の有無(スキャナーで判断できます)、敷地、地盤の状況、その他ある程度構造の知識のある人間(出来れば木造の構造計算が出来るような人)に、原因を推測、診断してもらってから対策工事をしてください。
私の個人的な経験の中では、このようなクラックの入り方は見た事が無いです。単なる表面モルタルのクラックとも思えません。
基本的に契約書に瑕疵免責特約がうたわれてなければ、構造的な瑕疵は「売主」(仲介の不動産屋さんではありませんよ)が対応すべきです。
売主が宅建免許を所有している事業者であれば、その責は免れる事は出来ません(俗に買取再販という売買形態です)。
売主が上記以外の個人・法人の場合は、少々、その責任の所在についてもめる可能性はありますが、契約書に「免責とする」と書かれていなければ、責任は「売主」にあります。
但し、その瑕疵をあなた様が知ってから、一年以内に申し立てをしないと、時効になってしまいます。
売主若しくは仲介が中古住宅の瑕疵保険に加入していれば、すんなりと保険を利用して支払ってくれるケースなのですが、ごねているところを見ると、おそらく瑕疵保険にも加入していないのでしょう。
まずは至急、現状の把握を経験豊かなインスペクターさんか建築士さんにしてもらい、出来る事であれば、補修に係る費用を算出。
その上で、売主に対して修補請求(出来れば弁護士さん名の方が効き目あるでしょう)、すぐに払うとも思えないので、その後の交渉、、、が、基本的な流れかと思います。
弁護士さんも相談であれば、無料で対応してくれるケースが多いですし、素人が言いくるめられる、、、若しくは妙に時間がかかり精神的負担が大きくなるよりは、すんなり弁護士さん経由にした方が、解決に至る時間は短いですし、スッキリします。
質問者より
ご丁寧にご回答いただきありがとうございます。
あまり見ないようなひびなんですね。。。
売り主は建設会社で、そこの会社の建物内に入っている関連会社の不動産屋が仲介しています。元々は競売物件だったところを建設会社で落として販売したようです。
契約書に瑕疵免責特約というのは記載がないと思うので、泣き寝入りにならないよう弁護士さんにお願いしようと思います。
当方東京なのですが、東京の建築士会の相談窓口に問い合わせたところ、次回の相談日は1/20とのことで、まだまだ随分先なため困っています。
建築士さんの知り合いはいないですし、インターネットで検索すると出てくる会社にお願いするのは不安ですが、何件か問い合わせてみようと思います。
▶ほかにもこんな質問があります。興味のある方はこちらもどうぞ。
・擁壁のひびの状況について教えてください
・玄関ポーチの基礎について
・壁のひび 等
▶▶その他の工事ミス・トラブルの相談については、こちらをご覧ください。
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