「家を建てたら、ペットを飼いたい」と、賃貸住宅では叶えにくかった夢を抱いて家づくりを始める方もいらっしゃるでしょう。特に犬の場合は、どの犬種を飼うのかによって備えておきたいことが変わります。そこで今回は特に、大型犬との暮らしを想定して建てたお住まいの例をご紹介します。
シニア犬でも安心・快適な
平屋の住まい
大型犬は特に、加齢とともに腰を痛めやすくなります。Sさんが子犬の頃から可愛がってきたラブラドールレトリーバーのギンくんも、年を重ねて腰を痛め、階段の上り下りが難しくなってしまいました。そこでご夫妻は、お二人の終の棲家として、ギンくんも暮らしやすいコンパクトな平屋を新築することにしたのです。
玄関は、カーポート側と庭側の2方向からアクセスできる設計で、庭側にはギンくんが無理なく家に入れるよう緩やかな勾配のスロープを設けました。スロープから中に入るとそこはタイル張りの土間。すぐ脇にシャワー付きの脚洗い場もあります。ギンくんサイズのゆとりのある広さで、水はねを気にせずに散歩後の脚まわりや体を洗うことができて、便利ですね。
木をふんだんに用いたLDKは遮るものがない広々としたつくりで、ギンくんものびのびと過ごせているよう。ご夫妻にも愛犬にも安心で心地よい平屋のお住まいです。
ドッグルームにドッグラン。
犬と健やかに暮らせる家
Yさんご夫妻は2頭の大型犬と暮らしていました。小型犬は、抱きかかえて洗面台で散歩帰りの汚れた脚を洗うことができますが、大型犬はなかなかそうはいきません。また健康を維持するために必要な運動量も、小型犬の比ではありません。そこでご夫妻が新築にあたって希望したのは、「シャワー付きのドッグルーム」と「リードなしで走り回れるドッグラン」のある家でした。
玄関からシューズクロークを介して隣に、4.5帖の広さのドッグルームを配置。散歩から帰ったらすぐ脚まわりをシャワーで洗うことができます。ご夫妻が外出する際は、この2頭はこの部屋で過ごしているそうで、室内は掃除のしやすさも考えられています。愛犬たちの目線の高さに横長の窓が設けられているのにも、優しさを感じます。ここからじーっと外を眺めながら、ご主人たちの帰りを待っているのでしょう…。
ドッグルームからは、物干し場を兼ねたピロティと木の塀で囲われたドッグランへ出ることができます。散歩へ行けなくても、このような広い庭が自宅にあれば、犬も飼い主も気軽にリフレッシュできますね。
実は、引っ越し後に1頭が病気で下半身が不自由になってしまいました。トイレの世話も必要になりましたが、愛犬たちが快適に過ごせる住環境が整っていたのでずいぶんと助かったそうです。普段は、2階のLDKまわりで愛犬たちと過ごすYさんご夫妻。LDKとフラットにつながる屋根付きのバルコニーは眺望も抜群で、みんなのお気に入りの場所になっています。
ペットを飼うことを想定して間取りや素材、設備を検討することは、これから先のご家族とペットの健やかな暮らしのためにとても重要です。
今すでに飼っている方は、今の住まいで使いにくい点や、こうだったらいいのにと思う点をまとめて、設計担当者に伝えましょう。将来的に新居で飼う予定の方は、実際にペットを飼っている人に話を聞いたり、設計担当者に相談したりして、必要なことを備えた人も動物も暮らしやすい家づくりを目指してくださいね。
(文/Replan編集部)
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