新型コロナウイルスの影響は今もまだ収束する気配がなく、これから冬に向けてはインフルエンザの心配も出てきます。家庭内感染を防ぐために、コロナ以前と比べて手洗いが習慣化したという方も多いのではないでしょうか。そこで気になるのが、洗面台の場所です。今回は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響から、これからの間取りの新しいスタンダートになりそうな「玄関近くに洗面台」の間取りをいくつかご紹介しましょう。
ガラス戸越しに
洗面コーナーが見えるつくり
住宅街の一角に建つ、外壁でぐるりと囲われた平屋のお住まい。庭に埋もれるような設計がたいへん特徴的です。玄関に入るとすぐ正面に、ガラス戸で隔てられた洗面コーナーが目に入るので、LDKへ入る前に手洗いがしやすいですね。ちなみに脱衣場や浴室が玄関から丸見え(!)なのが気になるかもしれませんが、ガラス戸の上にはロールスクリーンが設置されているので、ちゃんと視線を遮れます。
設計/都市建築設計集団/UAPP <Replan東北vol.66掲載>
2WAY玄関で、2方向から
洗面台へアクセスできる間取り
近年、取材先でもかなり定番化している感のある2WAY玄関ですが、こちらの家では玄関からとシューズクロークの2方向から、洗面台へアクセスできるように設計されています。この洗面台は、トイレの手洗い場を兼ねているもの。ユーティリティには、これとは別に、洗顔や歯みがきなどに使うための洗面化粧台が造作されています。2WAY玄関のどちらの動線を選んでも手洗いしやすい、というのは、感染予防の観点からはとても大切です。
設計・施工/(株)岡本建設 <Replan北海道vol.129掲載>
洗面化粧台を独立させて
玄関寄りに配置
ゆったりとした玄関に入ると、正面には調湿・消臭効果作用のある「エコカラット」で仕上げた間仕切り壁が目に入ります。洗面台があるのは、その裏側。造作の洗面台をユーティリティから独立させて配置しています。玄関寄りにあって、帰宅後の手洗いがしやすいですね。ユーティリティと切り離すことで、例えば誰かがお風呂に入っているときでも気兼ねなく洗面台を使える、というメリットもあります。
設計・施工/(株)キクザワ <Replan北海道vol.129掲載>
トイレの手洗い場も
洗顔・歯磨きも兼ねる洗面台
こちらは2階LDKで、1階に寝室や水まわりを配した設計のお住まいです。玄関に入ると、正面には階段。その脇に配した洗面台は、歯磨きや洗顔などに加え、トイレの手洗い場も兼ねています。先にご紹介した家と同じく壁で囲まれているので、玄関からは見えません。玄関まわりを雑然とした印象にしないためにも、玄関近くに洗面台の間取りでは、このような設計的な工夫が重要です。
設計/SUDO設計 施工/SUDOホーム(須藤建設) <Replan北海道vol.129掲載>
取材で建築家さんや工務店・ビルダーさんから聞くところによれば、「洗面台を玄関の近くに配置したい」という要望はコロナ前よりも確実に増えているそうで、手洗いへの意識が高まっていることがうかがえます。家族の健康な暮らしのためにも、各ご家庭に合ったプランを検討し、より安心で快適な家づくりを進めてくださいね。
(文/Replan編集部)
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