先日の記事「テレビの背面を「木のアクセントウォール」で彩る。リビングのアイデア集」では、リビングをより豊かなデザインに仕上げるさまざまなアイデアを紹介しました。
今回はその続きで、木以外の素材で設えられたアクセントウォールをお見せしたいと思います。いろいろな素材や色の組み合わせを参考に、好みのデザインを見つけてみてください。
天然素材ならでは風合いが魅力な「石」
石は木と同じ自然素材。石材を上手に取り入れれば、住まいの表情をより豊かにできます。主に玄関アプローチや土間空間などに使われるイメージがありますが、石は、リビングのアクセントウォールとしても十分使うことができます。
■上質さ漂うライムストーンでアクセント
古くから建材として使われてきたライムストーン(石灰岩)。色の多くは「ベージュ」や「グレー」で、柄もおとなしめなので、やわらかい表情と質感を見せるのが特徴です。下の2軒の住まいを見るとわかるように、アクセントウォールとして使っても、素材感を主張しすぎず、室内のインテリアや造作家具とも美しくマッチする魅力的な素材です。
■迫力満点の大谷石でアクセント
大谷石は、柔らかく加工しやすいことから、外壁や土蔵などの建材として使われてきた素材です。この住まいでは大胆にも、リビングのアクセントウォールとして大谷石を採用。天井まで伸びるダイナミックな大谷石の壁が、ひと味違う雰囲気を演出しています。
■渋い色味のスレート石でアクセント
テレビ背面に自然の風合いを生かしたスレート石(玄昌石)のアクセントウォールを設えたこの住まい。濃いグレーの表面に細かい筋が波のように流れた肌合いが特徴なスレート石が、高級感のあるホテルライクな空間を演出しています。天井の間接照明の光が反射し、夜は一層おしゃれな雰囲気になるそうです。
豊富な色や柄が楽しめる壁紙
壁の内装材としてもっとも一般的といえるのが壁紙。数え切れないほどさまざまな色やデザインがあり、コストパフォーマンスにも優れているので、好みに合わせて自由自在に室内のインテリアを変えることができます。
■シンプルカラーでアクセント
さまざまなデザインがあるとはいえ「LDKはすっきりと落ち着いた雰囲気にしておきたい」という方に好まれるのが、無地のシンプルな壁紙のアクセントウォール。下の2軒の住まいは、リビングの壁にはあまり使わないグリーンやブラックでアクセントをつけながらも、柄のない単色の壁紙にすることで程よいバランスを保っているのが印象的です。
■個性的な柄でアクセント
プリントすることで、どのような柄も表現できるのが壁紙の魅力のひとつ。この住まいは、白で統一された空間に、コンクリート柄の壁紙でアクセントウォールを設えました。明るいグレーカラーが効き、洗練された雰囲気を漂わせます。
2世代が同居するこの住まいは、1階のリビング・ダイニングに家族が集まります。造作のテレビボードの背面には、リビングと階段を仕切るためのアクセントウォールが立てられています。木目調の壁紙が張られた壁は、木のテーブルや床と調和し、心地よい空間演出の手助けをしています。
見せ方はさまざま。自由度の高い「タイル」
キッチンや水まわりなどでよく目にするタイル。リビングやダイニング・キッチンなどの生活スペースでは、あまり使われていない印象も受けますが、実はリプランの取材先でもけっこう見かけることの多い人気の素材です。リビングのアクセントウォールとしてタイルを上手にあしらえば、個性的でおしゃれなインテリアを実現できます。
■タイルの質感や凹凸でアクセント
小さいタイルがたくさん張られたワイドなアクセントウォールが印象的なこの住まい。あえてタイルの面積を限定することで、室内の他のインテリアとのちょうどいいバランスを保っています。無数に張られたタイルのスモーキーなカラーとザラツキのある質感がリビングを引き締めます。
この住宅では、リビングのアクセントウォールにエコカラットを採用。タイルの凹凸は間接照明と加わり、美しい陰影をつくり出します。エコカラットは、湿度が高い時は湿気を吸収し、乾燥している時は湿気を放出。においや空気中に含まれる有害物質の吸着効果もあるそうです。デザインのみならず、機能性も考えられたアクセントウォールとなっています。
■コンクリート調タイルでアクセント
このお住まいでは、リビングとウッドデッキを仕切る壁をアクセントウォールにして、コンクリート調タイルを採用しました。このタイルはキッチン背面にも使われ、LDKの良いポイントとなっています。テレビ下には、リモコンや小物がおける棚を造作。タイルの張り方を工夫した素敵なアイデアですね。
素材や色の組み合わせによって、アクセントウォールのデザインの可能性は、無限に広がります。本記事で紹介した新築やリノベーションのケースはもちろんですが、DIYでもアクセントウォールはつくれますので、興味のある方はいろいろ調べて、オリジナルのアクセントウォールを実現してみてくださいね。
(文/Replan編集部)
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