最近は、家づくりの選択肢として「リノベーション」が注目されていますが、新築と同様、リノベーションでも気になるのはお金のことです。実際、新築とリノベーションでは進め方が異なる部分もあり、「リノベしたいけど、どんな風に進めればいいのかわからない」と不安な人も多いでしょう。しかも持ち家をリノベするのか、中古住宅を購入してリノベするのかでも、抑えるポイントが違います。
効率的でスムーズなリノベでの家づくりは、全体像をつかむことから。今回は、会社探しから引き渡しまでの流れと、そのなかで発生する費用を確認していきましょう。
01 設計・施工会社を見つける
まずは情報誌や住宅雑誌、インターネットなどで会社探し。今は自粛する会社も多いですが、平常時であればオープンハウスやモデルハウスなどに積極的に出かけ、デザインや仕上がり、スタッフの雰囲気、また対応エリアや、広さあたりのおよその工事費などを調べて、候補を絞っていきます。より具体的な相談ができるよう、どんな暮らしを実現したいか家族の意見をまとめ、年収や貯蓄から大体の予算を決めておきましょう。
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02 プランニングと費用の見積もり
家族の暮らし方や、新しい住まいに期待することなどを設計担当者と話しながら、リノベする家の条件や状況を踏まえて理想のかたちをつくっていきます。工事費は、工事の規模や程度、面積、採用する設備機器のグレードなどによって増減します。やりたいこと、やるべきことの優先順位をつけながらプランを詰めていきます。
この時点で発生する費用 | 設計料(有料の場合) |
中古物件購入なら!
物件探しとプランニングは同時進行がオススメ。中古物件を取得してリノベするなら、物件購入とリノベ費用の両方を一体型の住宅ローンで賄う方がコスト的にお得。申し込みにはリノベ工事の見積もりが必要になるので、物件探しとプランニングは同時に進めましょう。
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03 ローンの「事前審査」
「事前審査」は、住宅ローンに正式に申し込む前に、申込者の返済能力などを最小限の情報から短期間に判断する審査です。「住宅ローンが借りられそうか」を契約前に確認することができます。ローン審査をスムーズに進めるためには、事前準備が大事。審査時に書類が足りない、審査に必要な要件を満たしていないなどの不備があると、その分審査が長引いてしまいます。
中古物件購入なら!
事前審査を終えたら、物件売買契約。事前審査が終わったら、不動産会社と物件売買契約を結びます。頭金は購入金額の20%程度が理想。諸費用(印紙代、登録免許税、不動産取得税、固定資産税など)も発生します。
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04 ローンの正式申し込み・本審査、契約
1~3週間ほどかけて、金融機関と保証会社により詳しい審査が行われます。年収や勤続年数、物件情報や見積もり金額はなるべく正確に記入すること。申告した情報と実際が異なると、事前審査をパスしていても、融資が受けられないことがあります。本審査が通ったら、晴れて金融機関との契約が成立し、リノベ工事ができることになります。
この時点で発生する費用 | 印紙代 |
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05 工事請負契約と着工
プランや見積もり内容を最終確認したら、工事請負契約です。契約が完了したらいよいよ工事開始です。リノベーション工事はその特性上、実際蓋を開けて(解体して)みないとわからないところもたくさん。現場の状況によって工事が進む中でも、仕様変更や追加工事は発生します。支払い額に関わる増減工事については、しっかりと把握しておきましょう。
この時点で発生する費用 | ①仮住まいの家賃 ②引っ越し費用 ③荷物の保管料など ④リノベ後の住まい用の家具やインテリア購入費 ※①〜③は工事中に仮住まいを借りた場合のみ |
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06 引き渡し
ひととおりの説明を受けて引き渡しが済んだら、新しい住まいでの生活がスタート。同時に融資が実行され、一般的には翌月からローンの支払いが始まります。また工事の内容によっては、それまでの火災・地震保険を見直す必要がでてきたり、固定資産税が上がったりすることがあります。
この時点で発生する費用 | ①増減工事費 |
第三者による保証システムを活用すれば、引き渡し後の不具合も安心
リノベのアフターサービスは基本的に各業者独自の保証に委ねられているため、予め保証内容を確認しておくべきです。保証については、「リフォームかし保険」「適合リノベーション住宅のアフターサービス保証」など、第三者機関による制度もありますので、もしものために検討してみておいたほうがいいでしょう。
補助金制度や減税制度にも注目!
近年リノベーションやリフォームには、国や地方自治体も力を入れていて、さまざまな補助金制度や減税制度が設けられています。コストバランスを考えながら、上手に活用しましょう。補助金の募集は、年末には予算が尽きて申請が締め切られることもありますので、情報収集と計画は早めにしたほうがいいですよ。
補助金制度 | ・長期優良住宅化リフォーム推進事業(国土交通省) |
減税制度 | ・住宅ローン減税制度 |
物件のチョイスを間違えると思わぬところで出費がかさむ恐れもあるリノベーションですが、状態の良い中古物件を購入できれば、同じ予算の新築以上にこだわりが詰まった自分たちらしい住まいを実現できます。
また新型コロナウィルスの感染拡大が、住宅ローンの金利や各ご家庭の資金計画などにも影響を及ぼしていますが、その点、リノベーションは建築コストを抑えやすいのも魅力です。本日4/21(火)発刊のReplan東北vol.68の巻頭特集「リノベーション2020」や、すでに先月発刊のReplan北海道vol.128掲載の今どきなリノベ実例を、ぜひ今後の家づくりの参考にしてみてはいかがでしょうか。
(文/Replan編集部)
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