新型コロナウィルスの影響で働き方が変化し、テレワークしている人も増えています。かくいうリプランも今週からテレワークを導入していますが、急な出来事にスタッフの間では「作業するのにいい場所が家のなかにない」「デスクワーク用のイスがなくて腰が痛くなる…」といった嘆きがちらほら聞こえます。

これから先、長い目で見てもテレワークの機会がありそうなら、新築やリノベではぜひとも仕事がしやすい「ワークスペース」や「書斎」が欲しいところです。しかし、そうなると気になるのは「家の中のどこに、どんな風にスペースをつくればいいのか」という点。自分だけの「書斎」があるのが理想的ですが、個室をつくるのが難しいご家庭も多いですよね。

デスクが広くて棚もある、こんな書斎があれば理想的
デスクが広くて棚もある、こんな書斎があれば理想的

そこで有効なのが、どこかの空間の一角を使ってワークスペースをつくる方法。リプランの取材先で特に多いのが「リビング」「ダイニング・キッチン」「2階ホール」です。

「リビング」「ダイニング・キッチン」にワークスペース

ワークスペースを設ける場所として一般的なのは、LDKまわり。親も子も、家族全員で共有できるフレキシブルな場所としてプランニングされています。ただ、今のような状況だと、家族がみんな家にいる中で仕事をしなくていけないので、LDKでは仕事に集中できないご家庭もあるでしょう。「テレワークの頻度が少ない」「ときどき家での作業が必要になるだけ」「お子さんと共有しやすいことを優先」など条件が合うお宅は、検討してみるとよさそうです。

リビングの一角に配したワークスペース。ゆったりとしてデスクライトもあって、作業しやすい環境
リビングの一角に配したワークスペース。ゆったりとしてデスクライトもあって、作業しやすい環境に

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2階ホールにワークスペース

最近増えているのが、2階ホールにワークスペースを設けるパターンです。先々のことまで考えると、その時々の家族構成やライフスタイルに合わせて使いやすいフリースペースがあるのは便利で合理的でもあります。2階ホールは、その点でうってつけの場所。カウンターや収納を造作してワークスペースにすれば、テレワーク時に家族が家にいても、LDKよりは仕事に集中できそうです。

ただ、吹き抜けに面していると電話などの話し声は階下に筒抜け。1階のLDKの生活音もダイレクトに聞こえてくるので、テレワークとなると、なんとなくでも間仕切りがあると安心感が高まります。

吹き抜けに面してワークスペースを設けた。写真右奥が寝室で、左手がゲストルーム
吹き抜けに面してワークスペースを設けた。写真右奥が寝室で、左手がゲストルーム
階段を上がってすぐのちょっとしたスペースを活用して書棚とカウンターを造作。視線を上げると窓の向こうの風景が見えて、いい気分転換に
階段を上がってすぐのちょっとしたスペースを活用して書棚とカウンターを造作。視線を上げると窓の向こうの風景が見えて、いい気分転換に
吹き抜けに沿って長いカウンターを造作したお住まい。カウンター下が書棚になっていて、使い勝手も◎
吹き抜けに沿って長いカウンターを造作したお住まい。カウンター下が書棚になっていて、使い勝手も◎
外の景色を眺めながらイラストの制作や読書ができる2階の書斎は、Oさんのお気に入り。デスクや棚は造作仕様。「仕事をしている時も、こんな風に子どもたちと一緒に過ごせるのが理想だったんです」(Oさん)
間仕切り壁で緩やかに囲まれて、こもり感が心地よいワークスペース。カウンターが広いので、親子で並んで仕事や宿題ができる

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このように、ワークスペースには家ごとにさまざまなかたちがあります。また、夫婦ともにテレワークなのか、社内・外の人たちと頻繁にオンラインで打ち合わせする必要があるのか、テレワークの頻度が高いのか、など仕事のしかたによってワークスペースに必要な条件も異なります。プランニングの際には、自分たち家族の生活スタイルについて設計士さんや建築会社の担当者さんに相談しながら、一番良いかたちを見つけたいですね。

(文/Replan編集部)