今や「リノベーション」は新築の妥協案ではなく、家づくりで考えるべき重要な選択肢のひとつ。リノベーションだからできた、個性の詰まった住まいを実現しているご家族が増えています。そこで今回は、リノベーションで失敗・後悔しないために知っておきたい「4つのポイント」を見ていきましょう。
01.いいリノベーションのためのパートナーを見つける
■リノベーションは相性が大事!
何はともあれ、家づくりは相性が大事。住宅雑誌や各社のホームページをじっくりと読み、オープンハウスなどに足を運んで、テイストや仕上がりを確認するほか、スタッフともよく話をしてみましょう。
■中古物件購入前に専門業者に見てもらう
中古物件の購入とリノベーションを同時に考える場合は、物件を購入する前に依頼したい設計・施工業者に同行してもらうのも有効です。物件を買ったものの、構造上思ったとおりのリノベができない、という失敗のケースもあります。事前に一緒に見てもらえれば、思い描いている工事ができるかどうかを判断してもらえるかもしれません。
■リノベーションの相見積もりは、ピンときた3社程度に絞る
家づくり・リノベーションで一番気になるのは、やっぱり費用ですよね。相見積もりを取って比較するのは重要なことですが、同時に見積もりを依頼するのは3社程度に絞りましょう。というのも、見積もりの仕様は各社によってさまざまなので、たくさん取りすぎると情報が整理できずに混乱して、正しい判断ができにくくなるからです。
■自分たちの家づくりにふさわしいパートナーを選ぶ
「こういう家にしたい!」というリノベーションの理想像が具体的な人は、その実現をサポートしてくれる会社を、「どうしたいのかイメージがわかない…」という人は、じっくりと話を聞いたうえで具体的なイメージづくりを手伝ってくれて、自分たちにふさわしい提案をしてくれる会社を選ぶなど、自分たちの特性に合った会社の選択も後悔しないための大事なポイントの一つです。
02.リノベーションの前に自分たちを知ってもらう
■細かいことは後まわし。まずは大きな希望から伝える
リノベーションの初めの打ち合わせでは細々とした要望よりも、「部屋の数」「キッチン作業台の向き」「家族の気配を感じやすいつくり」など、ざっくりとした希望を設計担当者に伝えて提案してもらうのも手。そうすることで、自分たちでは思いつかなかった意外性のある良いアイデアが出てくることも。
■「要望を伝える」ではなく「相談する」
いかにいいアイデアを設計担当者から引き出せるかも、上手なリノベの大事なポイント。「こうしたい!」と強く主張するよりも、「こうするためには、どうしたらいいでしょう?」「これってどう思いますか?」と相談するように話をすると、設計担当者から提案やアイデアを引き出しやすくなります。
■「小さなストレスの見える化」が失敗しないリノベの鍵!
リノベーションは、「包丁の出し入れが不便で危ない」「掃除機を置く収納がLDKのそばにあれば楽なのに」など、今の家で抱えている小さなストレスを解消する絶好のチャンス。そこで今の家の「気に入っているところ」「嫌なところ」をそれぞれメモしてリスト化してみましょう。そのリストを設計担当者に伝えてプランに反映してもらうことで、それまでの小さなストレスが解消され、満足度が高く後悔の少ないリノベにつながるはずです。
03.好みやコンセプトを共有する
■家のことより、趣味のこと
初期の打ち合わせでは具体的なプランの内容よりも、まずはご家族やライフスタイルなどについて設計担当者に知ってもらうことが大事です。自分たちの平日や休日の過ごし方、趣味や好きなものについてあれこれお話してみましょう。他愛のない会話を通したコミュニケーションの中から、あなたの家族にふさわしい家の姿が立ち上がってきます。
■instagramやPinterestは、イメージ共有の強い味方
「シンプルでナチュラルなデザイン」という言葉から想像する部屋が、必ずしも設計担当者と同じとは限りません。しっかりすり合わせをしないまま進めると「思っていたのと違う…」ということにも。リノベーションでのそんな失敗を防ぐためには、できるだけ同じイメージを共有したいところです。instagramやPinterestをはじめとするWEBや、住宅・インテリア雑誌で見つけた写真などを自分なりにまとめ、それを見ながら話をすると話が正確に伝わりやすくなります。
■リノベーション成功のヒントは、今暮らしている家にあり
自分たち家族にとって最善のリノベをするためのヒントは、実は今暮らしている家にたくさん潜んでいます。ここは思い切って設計担当者を自宅に招き、実際の様子を見てもらいましょう。置かれている雑貨や生活用品などから好みのテイストが分かるほか、暮らし方の癖や問題点もクリアになって、リノベーションでの改善につながります。
04.お金の使いどころを見極める
■後まわしにして、コスト増の失敗?!
リノベーションで難しいのは、後からでも手間やコストが変わらない工事と、後からやろうとすると大幅に手間とコストがかかってしまう工事があること。例えば外壁材の張り替えをするなら、同時に断熱性や耐震性を向上させる工事や窓まわりの断熱改修を一緒に済ませてしまったほうが、後から行うよりも効率的で省コストだったり。設計担当者に相談して取捨選択のアドバイスをもらうといいでしょう。
■北国で最優先すべきは「心地よい温熱環境」
北海道や東北で取材していてよく聞くのが「断熱工事にお金を割いてよかった!」という声。古い家に長く住んでいると「冬は寒くて当たり前」と思ってしまいがちですが、工事前は「断熱性が高いってそんなに効果あるの?」と半信半疑だった人も、いざ暮らし始めると「光熱費も下がったし、寒くないと暮らしが変わる」と笑顔になるよう。サッシの交換や断熱改修、暖房方法の見直しなどを優先すると、より後悔のないリノベにつながります。
■リノベーションでの設備機器選びは、ランニングコストに直結!
住宅の断熱・気密性能を向上させるなら、同時に暖房機器や給湯器も省エネ性の高い高性能機器に変えるとさらなるランニングコストの削減が可能。リノベで住環境を改善することはもちろん、そのあと数十年と続く毎日の暮らしに無理が出ないことも大切です。ランニングコストまで考えて、お金の使いどころを見極めたいところです。
リノベーションは、設計・施工会社探しから工事に入る前までのプロセスが特に肝心です。建物の条件や予算、工事規模などは個々のケースで異なりますが、ご紹介した4つの後悔しないためのポイントは、どなたにも当てはまります。このリノベポイントをしっかりと押さえて、性能もコストもデザインも、すべてに大満足な家づくりにつなげてくださいね。
Replan北海道vol.128の巻頭特集は「リノベーション2020」。今どきなリノベの実例をご紹介していますので、ぜひこちらも参考にご覧ください!
(文/Replan編集部)
Replan北海道 vol.128
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